ジャニーズ事務所所属のアイドルグループ「A.B.C-Z」の塚田僚一が主演する映画「ラスト・ホールド!」が、6月16~25日に開催される第21回上海国際映画祭にて正式招待作品として上映されることが分かった。
同映画は人工の壁を素手でよじ登る競技「ボルダリング」を題材にした作品。そのボルダリングを含むスポーツクライミングは2020年の東京五輪で追加競技となっており、競技人口が増えているという。ただ、今回の出品については映画ライターが首をひねる。
「上海国際映画祭は、国際映画製作者連盟(FIAPF)が公認する権威あるイベント。FIAPFが『コンペティティブ長編映画祭』で公認している映画祭はカンヌやベルリンをはじめ全部で14しかなく、アジアでは上海と東京国際映画祭だけというステータスの高い大会なのです。いくら映画の題材が五輪がらみとはいえ、『ラスト・ホールド!』は5月12日の公開後もまったく話題にならず、興行ランキングのベスト10にも顔を出していないのが現実。ほかにも良質な邦画はたくさんあるはずで、どうにも納得いきませんね」
興行収入的には大コケした「ラスト・ホールド!」だが、映画初日満足度ランキングでは1位になったとか。それはジャニーズファンに向けて、声援やサイリウムの持ち込みを認める「応援上映」を実施したことが貢献していそうだ。そしてその「応援上映」が今回の映画祭招待に繋がったという観測もあるという。中国事情に詳しい週刊誌記者が語る。
「同映画が上映されるのは受賞対象外の話題作品を集めた『パノラマ部門』であり、そもそも映画の出来を評価されての招待ではありません。そして映画祭はどこでも若者の集客に腐心しているもの。中国でもジャニーズ人気はかなりのものですし、この上海国際映画祭でも中国のジャニヲタを集めるもくろみではないでしょうか。ここで『応援上映』を実施すれば、さらに話題になることは確実です」
「日本では映画を観る時にサイリウムを振っていいんだよ!」と現地の人が誤解しないことを祈りたいものだ。
(白根麻子)