子どもがちょうど3年生から4年生くらいになると、お母さん方から「うちの子、言うことを全く聞きません」「反抗するばっかりで…」「口ごたえに、イライラしてしまいます」というご相談をいただくようになります。
「わかってはいるのですが、実際に目の前で私に対してキツイ言葉を発している子どもを見ると、怒らずにはいられなくなってしまいます」
「本当に私のことが嫌いなのかしら、と落ち込んでしまいます」
このように、お母さんにしてみれば反抗期真っ只中の子どもと接すると、不安や心配でいっぱいになってしまいますよね。しかし、反抗期は必要なもの。いつまでもお母さんに甘えっぱなしでは自立ができないため、子どもは一時的に嫌いになったり(もちろん、本心からではなく)、離れようとしたりすることで、自分で考えて行動する機会をつくっているのです。
ある男の子が、「ぼくの反抗期は一瞬で終わりました」と話してくれたことがあります。どういうことか尋ねると、「ウルセェ、クソババァ!」と言って家を飛び出したときに、お母さんからLINEが届いたそうです。開いてみると「反抗期、おめでとう! お祝いしなくちゃね! 今日はお赤飯にしようかしら」とのメッセージ。これには呆れ、反抗期であることがバカバカしくなってやめたのだそうです。
これは極端な例かもしれませんが、子供からの言葉に敏感に反応して怒りで返していると、言い合いになってヒートアップするばかりです。お互いにイライラしたり、思い悩んだりする時間が増えてしまいますから、こんなふうに「怒ってもしようがないか…」と思えるくらいがいいのかもしれませんね。
とはいえ、生意気な言葉についついイラっとくることもあるでしょう。そんなときに「どうしてそういう口の聞き方をするの!」と返しても、子どもがていねいに言い直すわけはありませんよね。そんな場合は、「そういう時期だから、そうなってしまうのね」「お母さんは○○が大好きだから、もっと話したいな」などと、余裕のある返答をするのがオススメ。「こんな子に育てた覚えはない!」と突き放すのではなく、「あなたのことを愛している」ことを素直に伝えてあげてください。
どうしてもイライラしたり、親に当たってしまったりする思春期の子どもたちですが、もちろん心の奥では大好きなお母さんのことを大切に思っています。ぜひ、どちらにとってもストレスのたまらないコミュニケーションで、もしかしたら二度と来ないかもしれない“そういう時期”を楽しんでくださいね。
(Nao Kiyota)