映画「検察側の罪人」が上々の滑り出しだ。SMAP時代には実現しなかった木村拓哉と嵐・二宮和也の共演が実現したのも好調の要因だろう。木村はエリート検事、二宮は対抗する新米検事を熱演している。
メディアジャックと思えるPRが功を奏して、公開初週の全国映画動員ランキングで、初登場1位を獲得。2週目となる「銀魂2 掟は破るためにこそある」、5週目の「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」より上位につけたことで、キムタクブランドは保たれた。
今回が初共演の木村と二宮だが、2人にはある共通点があるという。それもドラマに関することだ。
「2人は11歳の年歳差がありますが、同じドラマのオーディションに落ちているんです。それが武田鉄矢の出世作『3年B組金八先生』(TBS系)。木村は88年の第3シーズン、二宮は99年の第5シーズンを受けて不合格になった。若手俳優の関門でそろって落ちるなんて、運命的なものを感じます」(テレビ誌記者)
木村は87年に入所した翌88年に、役者としてデビュー。金八先生のオーディションを受けたのは16歳のとき。同じ高校の同級生でSMAPメンバーでもあった中居正広と一緒に受けて、ともに落ちている。その年に合格したのは、元メンバーで現在はオートレーサーの森且行、V6の長野博、そして、俳優・浅野忠信だ。
その浅野と木村は、17年1月期のドラマ「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)で共演。第5話には武田鉄矢が出演して、奇妙な巡り合わせとなった。
「金八のオーディションでは、木村が森に敗れましたが、じつは二宮も同じような辛酸をなめています。彼が負けたのは、生年月日が83年6月17日で同じ、さらに血液型もA型で同じという風間俊介。風間は同シリーズで、優等生ながら少年犯罪に手を染める難役を怪演。演技の才能が認められた。彼と二宮は背格好が同じなので、どちらが受かってもおかしくなかったのかもしれません」(前出・テレビ誌記者)
金八先生の生徒になり損ねた“未来のスター”2人が運命の出会いを果たした。そう考えると「検察側の罪人」のすごさが見えてくる。
(北村ともこ)