両肩に入れたタトゥーを巡り、賛否両論の騒動にさらされているタレントのりゅうちぇる。タトゥー否定派に対して「偏見」と言い放つことで、自ら燃料を投下してしまった形だが、今回の騒動については乾いた感想を抱く向きも少なくないようだ。
「最近のりゅうちぇるを最も的確に表現する言葉は『迷走』でしょうね。原宿のカリスマショップ店員に始まり、そのユニークなファッションセンスと本当は男前なルックスを活かして読者モデルとして活躍。その勢いでテレビタレントにも進出したりゅうちぇるですが、2月に“RYUCHELL”名義でアーティスト活動を始めたあたりから軸がブレはじめ、今回のタトゥー騒動により『何をやりたいのか分からない』との批判が決定的になりました。昨年はモデル・ぺことの結婚ネタを引っ張り続け、9月10日に開催した結婚式・披露宴で話題の頂点を極めましたが、そこからの急落ぶりは目を覆うばかりです」(芸能記者)
結婚式からの1年で、若者の憧れという存在から「なんだか面倒くさい人」へとイメージ転換しつつあるりゅうちぇる。誰しもアップダウンはあるものだが、今回の迷走ぶりは少々極端かもしれない。その原因について、原宿事情に詳しいライターが指摘する。
「ショップ店員は辞めたとはいえ、昨年までのりゅうちぇるは原宿のイメージを大事にキープしていたはず。しかし結婚して子供ができ、タレントとして次なるステージを目指しているのか、自分を世に送り出した『原宿』のイメージを脱ぎ去ったのは大いなる誤算だったのではないでしょうか。吉本芸人が関西にこだわったり、マツコ・デラックスが出身地の千葉をネタにし続けるなど、タレントにとって『自分はどこから来たか』はかなり重要な属性。りゅうちぇるなら沖縄出身や“ちぇるちぇるランド”の王子様、そして原宿が彼のアイデンティティだったはずです。しかし熱心に進めているアーティスト活動ではとくに沖縄や原宿をアピールするわけでもなく、世間がりゅうちぇるに期待する像とはかけ離れた方向にまい進。本人は新たな“RYUCHELL”を打ち出したいのかもしれませんが、これでは世間が“りゅうちぇる”を忘れてしまう恐れさえありますね」
タトゥーへの批判が多いのも、原宿のイメージにタトゥーがそぐわないからだろうか。果たしてりゅうちぇるはどこへ向かおうとしているのか。そこにファンがついてくるかどうかは不透明な状態のようだ。
(白根麻子)