SMAPの解散騒動に危機感を抱いたファンが、解散を阻止するために呼びかけたCDの購買運動。中でも最大のヒット曲である「世界に一つだけの花」は一時、デイリーランキングで9位に上昇するも、その2日後には50位圏内からも脱落してしまった。これでは累計270万枚のセールスを300万枚に乗せて、ファンの声を届けようという試みは失敗に終わる可能性が大きい。このランキングについて音楽ライターが説明してくれた。
「セールスが伸びないのは13年も前のシングルのため、在庫がほとんどないからです。いまや実店舗でもネットショップでも売り切れ続出で、ファンの間からはレコード会社が再プレスするのを待とうという声もあがっています」
なんとも涙ぐましい努力と忠誠心だが、そんなファンの願いは残念ながら実現することはないのだという。音楽ライターが続ける。
「ジャニーズグループの曲はほとんど、ジャニーズ出版をはじめとする事務所サイドが原盤権を持っています。そのためCDの再プレスに関しては、原盤権者のジャニーズ事務所がノーと言えば、レコード会社としては何もできない仕組みなのです。今回の解散騒動ではSMAPにとってトクになる行動を事務所が認めるはずがないので、『世界に一つだけの花』も事実上の絶版状態になるでしょう」
なんとSMAPのCDセールスを妨げているのは、ほかでもないジャニーズ事務所だったのである。CDが売れれば事務所の利益になるにも関わらず、“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”とはまさにこのことか。
こんな力関係を見せつけられたファンは、SMAPの独立など不可能だということを思い知らされたのではないだろうか。
(金田麻有)