フィギュアスケートのGPロシア大会で負傷した羽生結弦選手。今後の試合出場がどうなるか注目を集めているが、4年ぶりに現役復帰を果たした高橋大輔選手のファンも、にわかにザワつき始めているという。
高橋選手は西日本選手権で優勝を果たすなど、順調な復調を見せている。復帰会見の時には、全日本選手権での最終グループでの演技を目標にしていると語ったが、この優勝で最終グループでの滑走が近づき、そこへきて羽生選手のケガ。高橋選手のファンは、仮に羽生選手が出場回避なら高橋選手の表彰台もあるのではないかとささやき出しているというのだ。
「国内の試合といえどもトップクラスの選手が多い日本ですから、プレッシャーが大きい試合です。それでも今の日本のフィギュア界は女子選手のほうが、国際試合で表彰台に乗ったり入賞したりする実力を持った選手が多いのです。男子は絶対王者の羽生選手、それを追随する宇野昌磨選手の2人が圧倒的な強さを見せ、彼らに続くポジションを他の選手が競い合っている。昨年、一昨年も羽生選手がいなかった全日本選手権では宇野昌磨選手が優勝、2位を田中刑事選手、3位を無良崇人選手が取っています。けれども、無良選手は引退しましたし、羽生選手も欠場となれば、表彰台の可能性は全ての選手にとって大きく広がるのです」(スポーツライター)
ちなみに、今シーズンの得点を比較してみると、ロステレコム杯で3位に入った友野一希選手は238.73点、NHK杯で6位入賞の山本草太選手は213.40点、ヘルシンキ大会で8位の田中刑事選手は206.82点。もちろん、国内大会と国際大会の成績を単純に比べることはできないが、高橋選手は西日本選手権で友野選手を抑えて優勝しただけでなく、得点でも友野選手のロステレコム杯の得点も上回る244.67点で勝っているのだ。つまり、ベストスコアでは宇野選手に次ぐ得点を取っているのは高橋選手ということになる。
「そこで羽生選手の欠場となれば大きな意味を持つのです。残り1つの席を争うのではなく、もう1つ空席ができるとなれば、長年日本男子のエースとして経験を積んできた高橋選手が入れる可能性は高くなるわけです。それに、全日本の上位入賞者はその後の4大陸選手権や世界選手権の出場権を手にすることができる。高橋選手が好成績を収めれば、念願でもあった国際試合への復帰出場も現実的になります。さらに、もし羽生選手が世界選手権も欠場ということになったりしたら、羽生、宇野、高橋というベテラン勢だけの出場になってしまうところを、羽生選手の代わりに若い選手を派遣することができ、世界選手権の経験を積ませることも可能になります。一部でささやかれていた『若い選手の席を奪うな』という高橋選手への風当たりも少なくなるでしょうから、ファンがざわつくのは無理ありません」(前出・スポーツライター)
羽生選手には、しっかりケガを治して早く復帰してほしい。しかし、高橋選手にも活躍してほしい。羽生選手のケガは、そんなフィギュアファンの心も揺さぶっているようだ。
(芝公子)