子どもが小さいうちは、どうしても働く時間が制限されてしまう…。そのため、他の人が一生懸命働いている中、先にあがってしまうことの気まずさや、その分仕事を引き受けて支えてくれる人の苦労を思うと、何となく居づらさを感じてしまいますよね。でも、そうした思いをせずに自分らしく働くためには、こちらの努力も必要です。それが、「働きやすい環境は自分でつくる」ということなのです。では、どんな環境であれば、生き生きと働けるのでしょうか。
居やすい環境づくりの一つの要素は、自分自身の存在価値を高めることでしょう。そのためにはたとえ短い時間でも、どうしてもあなたに働いて欲しい!という、魅力ある人材となることが必要です。日々自分の力の棚卸しをして、「この仕事は私に任せてください!」と、みえる形で会社側に渡しておくことが大切なのです。与えられた仕事をこなすだけなら、自分がいなくても会社は困りません。ちょっと席を外しているうちに、代わりの人がどんどん仕事を奪っていくでしょう。
子育てしやすい、子どもがいても働きやすい会社の環境づくりを待つばかりではなく、戦力として安心して任せてもらえる仕事をつくっていくことが一番の近道です。とくに、時短出社をしようが家で仕事をしようが、正社員と同じだけの給与をと望むのならなおさら。どこにいても働いて欲しいと思われるに足るスキルを、ぜひ持っておいてください。
また、母親だからこそできる仕事をつくることも必要でしょう。今所属している会社の中で、作業時間を柔軟に調節することができ、しかも今の社員が手を回せていない「猫の手でも借りたい!」と思っている仕事をみつけて提案すること、そして自分にしかできない仕事を生み出すこと。つまり、ニーズを見極めるのです。普段から会社の現状をみつめ、よりよくするための施策を考えている必要がありますが、それが問題点を改善するためのものなら、あなたは会社にとっての強い戦力になることでしょう。
居場所は自分でつくっていくものです。子どもを持つ女性が働きやすい環境を提供されているなら幸せですが、そんなことばかりではありませんよね。「この職場、私たちに優しくない!」と敵に回すのではなく、今の環境をよりよくしていくアプローチを自らがしてください。どうせ働くなら、会社に“求められる”人材でありましょう。それが、居場所をつくることになるのです。
(Nao Kiyota)