ショップジャパンが2018年3月、全国の小・中学生の子どもを持つ30~59歳の母親を対象に実施した「子どもの睡眠に関する調査」によると、親子共に平日の睡眠不足を補うため、休日は起床時間と就寝時刻が遅く、睡眠時間が長くなる傾向がみられました。この結果、子どもの「睡眠負債」の実態が明らかになりました。
昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック理事長で『子どもの早起きをすすめる会』の発起人である星野恭子さんによると、睡眠不足の1歳児は「指さし・喃語が少ない」、夜型の幼児は「攻撃性が高い」「不注意が多い」、夜型の5歳児は三角形が書けないのだとか。また、平成26年度の文部科学省の調べでも、睡眠不足が「易刺激性(何でもないのにイライラする)」「自尊心(自分のことが好き)の低下」に関連することが示されているそうです。
夜は疲労回復や成長、朝は活動モードという生体リズムが子どもたちの身体の発達を促すため、睡眠不足は体温の異常や交感神経・副交感神経の異常をきたし、朝起きれない、肥満、高血圧、高血糖などを招くそうです。さらに、睡眠中でも記憶や学習に関連する海馬などは活動し、情報が統合・整理されて記憶が定着するため、極端な寝不足が続くと学習効果が減少する可能性があるとも。
では、日々の夜をどのように過ごすとよいのでしょうか。星野さんによると、ゲーム・スマホ・テレビなどは要注意。脳が興奮すると眠れなくなってしまうため、これらは眠る1時間前頃には止めた方がいいのだとか。就寝時刻の目安は、小学生で21時。なかなか難しいかもしれませんが、学童期は脳も身体も成長する大事な時期ですので、早く寝ることがとても重要なんだそうです。
日中の脳の活性化や睡眠中の疲労回復には、子どもに限らず大人でも睡眠時間の確保が欠かせません。家族全員で早寝早起きのためにできることを考え、十分な睡眠環境を整えたいですね。
(Nao Kiyota)