2018年のフィギュアスケート全日本選手権が12月21日から24日に開催され、4年ぶりに32歳で復帰した高橋大輔選手が堂々2位を獲得した。強化選手ではない高橋選手にとって、全日本選手権に出場するためには、国内試合を勝ち進んでくる必要があった。そして近畿選手権で3位、西日本選手権で優勝して自力でつかみ取った全日本選手権だった。
「高橋選手は、アイスショーに出演するなどしており、スケート自体から離れていたわけではありませんが、ジャンプも少しずつ上向きになり、しっかり4回転にも挑戦してきました。しかし、何よりも圧巻だったのは表現力です。もともと高橋選手は世界ナンバーワンとも言われた華麗なステップや、スケートでは難しい上半身の使い方の大きさ、その表現力で男子フィギュア界自体のレベルをアップさせた存在です。その素晴らしさは健在、どころか、ブランクの間のダンス留学やダンスのステージの経験などで一段と磨きがかかっていました。ブランクが、さらに高橋選手を輝かせたと言っても過言ではないでしょう」(スポーツライター)
高橋選手の美しいスケーティングに、ファンも絶賛の嵐だ。観戦後の感想では「ここまで心を鷲づかみにされる選手は高橋選手以外いない」「大ちゃんしか出せないオーラ、雰囲気、艶が感じられた」などの言葉が寄せられた。
「いまや男子フィギュアスケートといえば、完璧とさらなる高みを目指す羽生結弦選手が中心で、高橋選手は確かに技術では羽生選手に及ばないかもしれません。それでも、高橋選手の表現力やスケートの魅せ方は、誰にもマネできないもの。羽生選手でさえ同じ滑りはできないでしょう。高橋選手は羽生選手とは全く違うタイプのスケーターなんです」(前出・スポーツライター)
12月25日放送のワイドショーに出演したプロスケーターの安藤美姫も「リンクにいるだけで幸せになれる」と、高橋選手を大絶賛。演技と存在感で人々を魅了することができる高橋選手の偉大さを、改めて実感させてくれた全日本選手権だった。
(芝公子)