ロシアのメディアで、羽生結弦選手のライバルでもあったカナダのフィギュアスケーター、パトリック・チャンがインタビューを受けた。今のスケート界について様々な質問がされた中で、チャンの取った3つの五輪メダル、世界選手権3連覇のメダルのうち、どれがいちばん落胆したか、という質問が。チャンは間髪を入れず、ソチ五輪の個人戦の銀メダルがいちばん悔やまれたと答えたのだ。
「チャンは長らくソチ五輪の銀メダルを恐ろしい失敗だったと感じ、ずっとこの結果を受け入れられなかったそうです。それは、金メダルを獲得した羽生選手の滑りが完璧ではなかったのに、自分はそれを利用することができなかったからなのだとか。金メダルへのドアが開いていたのに、それを自分で逃してしまったことをずっと悔やんでいたそうです。今では、自分が『オリンピックチャンピオンになる準備が出来ていなかった』『金メダルにふさわしくなかった』と思うに至ったといいます」(スポーツライター)
平昌五輪では個人で9位と落ち込んだチャン。それでも、団体戦で金メダルを獲得し、競技から身を引いた今だからこそ、冷静に過去のトラウマを清算できたのではないだろうか。競技生活を続けるアスリートは、日々、常に厳しい戦いに身を投じているということを痛感させられるインタビューだった。
(芝公子)