英国の歌手リタ・オラが所属レーベルのロックネイションから240万ドル(約2億8000万円)の損害賠償を求められている。ジェイ・Z率いる同レーベルは、制作と宣伝費として200万ドル(約2億4000万円)も出資したにも関わらず、リタがセカンドアルバムを完成しなかったことと契約違反を犯した件に対し、リタを提訴した。
ニューヨーク・ポスト紙のページ・シックス欄が入手した法的書類によると、リタはアルバム5枚に対する契約を結んでいたが、これまで1作品のみがリリースされている状況だといい、ロックネイション側は「リタのキャリアを継続的にプロモートし、何百万ドルもの宣伝費やレコーディング費用、その他の費用を出資したことが、現在のリタの成功と名声を築く礎となった」と主張している。
この訴えの前には、リタがロックネイションに対して訴訟を起こしており、2008年に同レーベルと契約を結んだ当時はリタが18歳であったことから、その契約がカリフォルニア州法に反するとして主張していた。
その際の法的書類には、「リタがロックネイションと契約した際、同社の幹部はリタをアーティストとしてとても手厚く対応しました。ロックネイションの事業が多岐に渡るにつれて援助がほとんどなくなり、同社の幹部たちは入れ替わりが激しい状況となりました。最初にリタを支援していた幹部も同レーベルを去ったり別の事業に移ったりしたことから、リタがこの会社の誰とも関係を持っていない状態になってしまったのです」と記されていた。
今回のロックネイションからの訴訟を受けて、リタの弁護人ハワード・キング氏は、「ジェイ・Zは個人的にそして親切にリタがロックネイションから完全離脱することを約束してくれました。その約束は今成立しようとしています」「ロックネイションの配給部門、ソニー・ミュージックは、ソニーが保有する可能性のある未決定の権利を守るためにロックネイションと同様の行動をする必要があります」と話す。