おでんの中でも、最近では「洋風おでん」なるものが登場、家庭の食卓に上ることも珍しくなくなりました。この洋風おでんの種といえば、ソーセージ、エビ、じゃがいも、大根、キャベツ、トマトなどがあります。改めてこう書き並べてみると、洋風おでんは「ポトフ」と似ている──なんて思うことはありませんか?
そもそもポトフはフランスの家庭料理で、牛肉やじゃがいも、にんじん、かぶ、玉ねぎなどの野菜を、香草や香辛料を入れて長時間煮込んだもの。煮込んでできた汁をスープとしていただくものです。辻調理師専門学校監修の「料理食材大図鑑 マルシェ」(講談社刊)には、粗塩、こしょう、マスタード、ピクルス、ホースラディッシュなどを薬味として使うと書かれています。
一方、洋風おでんはどんなものなのでしょうか。実は…明確な定義はないようなんです。出汁で知られる久原本家の公式レシピでは「洋風おでん(ポトフ)」となっているので、同様に扱われることもあるようです。ソーセージや野菜の出汁を使うことから“洋風”としながらも、食材を煮込むという作り方から馴染みのある“おでん”としているのがホントのところかもしれませんね。
以上のことから、洋風おでんとポトフの違いといえば、「食べるか飲むか」どちらをメインと考えるだけなのかもしれません。まあ、いずれにしても美味しいのであれば、それほどこだわることではないですよね。