日本人アスリートの偉業といえば、やはりイチローの功績に言及しておく必要があるだろう。先日、球界に別れを告げたこの努力家は平成16年に262安打というシーズン最多安打記録を樹立し、メジャーリーグの歴史に名を刻むと、通算安打世界記録保持者としてもギネスワールドレコードに認定されている。
圧巻の演技と艶のオーラすら感じさせる“氷上のプリンス”羽生結弦も外せない平成の主人公だ。平成30年の平昌五輪では怪我の影響が不安視された中、他を圧倒するパフォーマンスを披露し、実に66年ぶりとなる五輪連覇を達成。熱すぎる“羽生フィーバー”は彼を表紙に据えた某雑誌が次々に売り切れるという社会現象を巻き起こし、週刊誌としては異例の大増刷に至ったことも。
平成の終焉を前にギリギリで達成された快挙もある。日本とアメリカの二重国籍を持つ大坂なおみは2019年の全豪オープンで次々に難敵を撃破すると、決勝でチェコの天才ペトラ・クビトバからも勝ち星を奪い、全米オープンでのグランドスラム初優勝からの連続優勝を達成。その後更新された世界ランキングで男女通じてアジア人初となる1位に選ばれたのだ。
各種目、各ジャンルで日本人による奮闘が目立った「平成のスポーツ史」だが、フィギュアの紀平梨花や球界の大谷翔平、そしてサッカー界の“神童”久保建英など、「令和」を盛り上げるであろうダイヤモンドはすでにその輝きを放っている。
まずは2020年の東京五輪で未来のスターによる圧巻のパフォーマンスに期待したいところだ。
(木村慎吾)