先輩が後輩におごる。芸人の世界では恒常化されている。同様に、ジャニーズタレントにとっても伝承のひとつだ。そのルーツは、近藤真彦。過去に恩恵を受けた東山紀之は少年隊としてアイドル活動をしていたころ、付き人でありバックダンサーでもあったTOKIOに一軒家が建つほど、総額ン千万円ほどおごった。そのイズムはTOKIO、SMAP(解散)以降、80年代後半から90年代にかけて入所した面々に受け継がれ、先輩はとかく後輩に散財した。ジャニーズ事情に詳しいアイドル誌ライターは言う。
「TOKIOだけでなくSMAPも伝統を受け継ぎました。今もこのルールは続いています。あるジャニーズタレントが食事をしていたところ、同じ店の別の席に来ていた先輩がいつの間にか自分たちの飲食代を払ってくれていたなんてこともあったそうです」
後輩にしてみれば、先輩がおごるのが当然ということのようだ。だが、その中でも“おごられ上手”なタレントはいる。TOKIOの松岡昌宏がそうだ。
「20代のころに通っていた店である夜、マッチとバッタリ遭遇。大先輩から言われるがままに飲み、酔った勢いで『すげぇ、カッコいいっすね、これ』と腕時計をホメたそう。すると、マッチは『やるよ』と松岡にプレゼントしたとか。おごってもらう上に時計までゲットしてしまうなんて、松岡はかなりのやり手ですね」(前出・アイドル誌ライター)
松岡は、相手の懐に飛び込むのが巧みな人たらし。似たような手口で、東山からも高級腕時計をもらっている。だが、もらうばかりではない。かわいい後輩である関ジャニ∞・大倉忠義と嵐・大野智に高級時計を贈っている。
「松岡は酒の場での伝説を多数持っていますが、悪く言う人は1人もいません。とにかく太っ腹。その心意気にホレた唐沢寿明も彼の誕生日に、スイス製の高級腕時計をあげています。マッチ、ヒガシ、唐沢の大物芸能人3人から時計をもらっている松岡は、タダ者じゃないかもしれません」(前出・アイドル誌ライター)
ちなみに高級腕時計といえば、中居正広も語らない訳にはいかないだろう。中居はもらうのではなくあげるほう。飲んでいる席で、はめていたロレックスを外し、陣内智則に「あげるよ。守ってくれるから」と贈ったことがある。さらに、自身がプロデュースした舞祭組(横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永)と食事していたときには、酔った二階堂から「その時計、僕にください」と言われ、躊躇することなくあげている。
ジャニーズと高級時計は切っても切れない関係なのかもしれない。
(北村ともこ)