この秋、綾野剛が出演する映画が立て続けに公開される。10月18日からは少女失踪事件の容疑者として疑われる主人公の中村豪士を演じる「楽園」、11月1日からは笑福亭鶴瓶演じる秀丸と心を通わせる、自分の言葉を持つ“チュウさん”を演じる「閉鎖病棟-それぞれの朝-」。さらに来年2月14日にも観客よってBL作品かどうかの評価が分かれそうな「影裏」で、松田龍平演じる日浅に翻弄される主人公の今野を演じている。どの作品も重厚なヒューマンドラマで、綾野が演じるキャラクターは繊細な心理表現が必要とされている。
「綾野はどのキャラクターも観る者の心を揺さぶる見事な演技をしています。しかし、映画館に足を運んでくれる観客数は、いつでも見ることができるテレビドラマの視聴者数とはケタ違いに少ないのが現実です。綾野は2017年4月期放送のドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)、2018年7月期放送のドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)で主演を務めて以来、テレビドラマに出演していません。この主演ドラマ2作品で綾野は、伸び悩む視聴率と酷評にさらされました。それが仕事の重心を映画に置かせているのかもしれません。しかし2015年10月期に放送された『コウノドリ』(TBS系)で演じた児童養護施設で育った過去を持つ主人公の産婦人科医で“ベイビー”の名を持つ謎のピアニストでもある鴻鳥サクラ役は大好評で、綾野の当たり役になりました。その声を受けて2017年10月期には第2シーズンが放送され、ネット上では第3シーズンを待ち望む声が多いんです」(テレビ誌ライター)
綾野の白衣姿およびピアノを猛烈に奏でる姿をまた見ることができる日は来るのだろうか。