「櫻葉」と聞いてピンと来るのは、年季の入ったジャニーズオタクだ。これは、嵐がトップアイドルになる前、櫻井翔と相葉雅紀がシンメになった際に生まれた造語。00年代前半、コアなジャニヲタから親しまれたコンビだ。アイドル誌ライターは言う。
「嵐はそもそも櫻井、二宮和也、松本潤の3人がメンバーで、歌唱力を補うために大野智が加わり、99年のハワイ記者会見の3日前に相葉が加わって5人に落ち着きました。でも、ジャニーズJr.時代は、現役慶應ボーイで学業を重んじた櫻井と一般職に就きたかったニノ、滝沢秀明と親しかったマツジュンと相葉という2派に分かれていました。つまり、櫻井と相葉は接点がほぼありませんでした」
嵐では最古参の大野に次いで、櫻井が古い。96年入所の松本、二宮、相葉より1年先輩にあたるうえ、仕事の合流もなかったため、相葉は櫻井の連絡先を知らなかった。嵐のなかでも、いちばん最後に知ったのが櫻井だという。
「その前振りがあったせいか、“櫻葉”が誕生したときは希少価値が高まりました。メンバーになってからは、コンサートで泊まった宿泊先で、小さい湯船に一緒に浸かったりするほどの仲に。今ではお互いの誕生日に、『お誕生日、おめでたまきん』、『ありがたまきん』とメールを送りあっています」(前出・アイドル誌ライター)
これは人気アニメ「おぼっちゃまくん」に出てくる特有の言葉。15年ごろ2人は、「嵐にしやがれ」(日本テレビ系)で「子どもの頃はどんなアニメを見ていたか?」という話題で、そろって「おぼっちゃまくん」と答えている。“茶魔語”が友情を育んだようで、かつてはコンサートでおぼっちゃまくんの決まり台詞「ともだちんこ」で笑いあっている。
「おぼっちゃまくん」で完成形に近づいた櫻葉の友情。今も互いの誕生日に必ず“迷台詞”を送信しあっていることを、作者の小林よしのり氏は知っているのだろうか。
(北村ともこ)