情に厚く、仲間を守り抜く面々とは対照的に、切れ味鋭い物言いで“媚びない”姿勢を見せたことで、闇営業騒動を機に評価を高めた人間もいる。
吉本興業に身を置き、芸人養成所時代には7期生の宮迫博之らの1年後輩にあたる8期生だった千原兄弟の千原ジュニアは、反社会的勢力と吉本芸人を仲介したとしてすぐさま吉本から契約解除の重い処分を受けたカラテカ・入江慎也を引き合いに出しながら、なかなか会見を開かなかった宮迫とロンドンブーツ1号2号・田村亮について「1人の芸人(入江)が自業自得ですけど、死んだ。その時に、先輩である2人がまず矢面に立って、質疑応答込みの会見を開くべきだった」と苦言。
また、自身はきちんと会社を通した仕事を得られるように努力してきたと前置き、直の営業に勤しむ芸人については「カッコ悪い」「ヨゴレ」という負の印象を抱いていたとも語った。縦関係には厳しいとされる吉本において、宮迫らの愚行にしっかりと正面から批判を展開したジュニアにはネットからも賛同の声が寄せられ、ニュートラルな立場から世相を斬る覚悟があることを存分に示したと言えるだろう。
一方、吉本興業内ではない外野から“毒のあるコメント”を飛ばして衝撃を与えたのが「バイキング」(フジテレビ系)でのおぎやはぎである。
6月26日放送の同番組内で、小木博明は宮迫を含む闇営業芸人らについて「最初は、反社(会的勢力だという事実)に気付かなかったって言ってましたけど、あの人たちが反社っぽい格好してますし、気付かねぇだろうなと思いますよ。風貌とか、宮迫さん、亮くんもそうだけど、あれ、向こう側の人間に見えるじゃないですか。だから(反社の宴だと)分からないでしょ、多分」とコメント。
若々しい派手目のファッションだった宮迫らを“反社っぽい”と表現したこの言葉は、見た目や服装での差別を助長するとして物議も醸したが、先輩芸人への物怖じしない姿勢を評価する声も多く見受けられた。
最近では芸能界の不祥事やトラブルが発覚した際、縁の深いタレントが擁護のコメントを発したり、すぐさま復帰の可能性について言及することで、二次的な炎上に繋がるケースが多発している。
女優の沢尻エリカが薬物騒動で逮捕された直後には、同じく女優の遠野なぎこが沢尻について「才能なんて無かった」「なんであんな(才能を)評価されてたのかなって」などと一蹴し、一部からは支持を得ていた事実もあることから、世間が求めているのは小木のように“やや言い過ぎ”とも考えられる激辛なコメントなのかもしれない。
少なくとも、不祥事を起こした人間を不自然に庇うような真似は、タレントにとっては禁物だと言えそうだ。
(木村慎吾)