2019年の映画界は多種多様なヒット作に恵まれた豊作の1年だったが、2020年もまた大量の映画ファンを劇場へ連れ込むに値する“超話題作”の封切りが控えている。
ここでは、銀幕を賑わせるであろう注目作や、高い興行収入が見込まれる作品を洋画と邦画を交えながら紹介していこう。
まずは2020年春、俳優ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役としてのフィナーレを飾る「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が公開され、幸先良く同年の映画界に熱風を注ぐことになるだろう。
日系人としてのルーツを持ち、北海道で語学教師をしていた経験もあるというキャリー・フクナガ監督がメガホンを取る同作。ダニエル・クレイグ版の007シリーズをワールドワイドな人気作へと昇華させたサム・メンデス監督と半ば喧嘩別れのような形で決別してしまったことは数少ない懸念材料ではあるものの、すでにクレイグが今作をボンド役として最後の作品であると位置付けている為、“卒業作品”という意味でも話題性は相当なもの。12月に解禁された予告編では相変わらずのスピード感に満ちたカーチェイスシーンや、個性に富んだキャラクターの姿が確認でき、英国が世界に誇る大ヒットアクションシリーズに早くも熱視線が注がれている。
「シリーズ25作目となる『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のテーマは“原点回帰”です。『007』の原作者イアン・フレミングが同作の執筆の拠点地としたのが、ファンから聖地と称されるジャマイカですが、前作『スペクター』で諜報員から引退したボンドがこのジャマイカで悠々自適な生活を送っているところから最新作の物語が始まります。まさにクレイグ版007シリーズの集大成となるような力作で、製作会社は前作クランクアップ時点でボンド役からの卒業を熱望していたクレイグに対し、100億円のギャラで2作品の続投を提案したとされています。この金額にはプロデューサーとしての役割やPRへのギャラも含まれているとされますが、いずれにしても“ダニエル・クレイグでなければならない”と必死な攻勢を見せた製作会社側の熱意が窺い知れます」(映画誌ライター)
後に、米誌「variety」は最新作においてクレイグが受け取る金額は出演料のみでおよそ27億円に上ると報じており、改めてその予算規模のデカさを痛感させられてしまう。
(木村慎吾)