お笑いタレントの今田耕司が12月22日に開催された「M-1グランプリ2019」(テレビ朝日系)で13大会連続となる司会役を務めたが、“余計な一言”で審査員からお叱りを食らう一幕もあった。
普段のバラエティ番組では、ユーモアを織り交ぜたスムーズかつテンポの良い進行が好評を博してきた今田だが、司会進行というポジションからはみ出た言動を、審査員席に座るオール巨人から注意される場面が話題となっている。
緊迫したムードをほぐす為か、進行という立場ながら冒頭から例年にも増して“小ボケ”を多く挟んでいた今田は、優勝候補と目されていながら敗者復活組からの登場となった和牛がネタを終えた際、ツッコミ担当の川西賢志郎について“ツッコミがボケを兼ねている”という特性を説明。しかし、これが進行としての役割を越権した言動とみなされたのか、巨人から「今田くん、ツッコミがボケもやるんやね、とかそういうコメントはせんでええよ。こっちが言うことやから」と一蹴されてしまった。
「オール巨人からすれば、審査員としてのオファーを受け、その役割を強い覚悟と共に背負っている以上、進行役の人間が誰よりも先にラフな評論をしていたのが気に入らなかったのかもしれません。また、巨人は“審査員すらも審査される”という昨今の風潮に辟易しており、来年の大会では審査員を休む意思があることも公言しています。そうした中で、若い層に影響力を持つ今田が先に和牛のツッコミを解説してしまったことに違和感を覚えたのでしょう。しかも、今田が好意的に評価した川西のツッコミについて、巨人は『ボキャブラリーが足りない』などと苦言を呈していましたから、自身の見解とは正反対の批評を今田からされたことに、ことさらご立腹状態となってしまいました」(テレビ誌ライター)
ネットでは、この巨人による今田への緊迫感に満ちた指摘に対し「オンエアー中にやるなよ」「楽しい空気が台無し」「収録後に言うじゃダメなの?」「巨人が怖くてチャンネル変えた」との声も寄せられ、鬼気迫る巨人のオーラを恐れた視聴者も多かったようだ。
「今回のようなお笑いコンペティションにおいては少々事情が異なりますが、司会進行を担う立場の人間には常に一定以上の影響力が集まり、その発言が世間のスタンダードとなってしまう傾向が強いです。よって、その司会者が和牛を先に高評価するようなコメントを発してしまうと、その後に彼らを酷評した審査員が変に目立ってしまう弊害が出る可能性があります。実際、老若男女からズバ抜けた人気を誇る和牛にマイナスな批評を述べることは勇気のいる作業ですし、それ相応の覚悟がなければ務まりません。審査員の役割を本気でこなす巨人だからこそ、今田の越権行為を仕方なく本番中に軌道修正する必要性を感じたのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
なお、今田は番組冒頭にも、謹慎中の雨上がり決死隊・宮迫博之のお馴染みネタ「宮迫です」の決めポーズを無言で披露し、ネット上で賛否を集めていた。
場を和ませ、重い空気を柔らかくするのはMCとしての今田の任務でもあるが、今回はいくつかの場面で不適切な方法を取ってしまったと言わざるを得ないかもしれない。
(木村慎吾)