幼児期にお母さんを困らせること“ナンバーワン”に輝くといってもいいほど、多くの保護者から相談を受けるのが「うちの子、言うことを聞かなくて……」「頑固過ぎて困ります」「本当に育てにくい…!」というものです。
例えば、遊べる時間が決まっている公園などで、時間になっても子どもが遊ぶことをやめたくないと言い出し、どれだけ説得しても納得せず、無理やり連れて帰ろうとすると大きな声で泣き叫んで母を蹴ったり叩いたりと暴れ出し……なんてことがあると思います。母としては我が子をその場から離れさせなければならないのですが、力ずくでもできないとなると「もうどうしたらいいか分からない……」となり、しまいには警備員さんに自分のせいにされてしまう……。
習い事でも、いったん「行きたくない!」と心に決めたら頑として誰のいうことも聞き入れず、教室に入れると大泣きで外に飛び出してしまい、最後まで授業に参加できない子がいたりします。
そんな子どもたちはどうしても母の悩みの種になってしまうのですが、実は将来大物になるケースも少なくありません。それは、意思が強く粘り強さがあるため、一度「やる」と決めると最後まで諦めずに突き進むことができるからです。
とはいえ、なかなかうまくいかないと納得できずイライラして周りに当たったり、途中で泣き出してしまったりと、小さなうちは歯がゆい思いをすることが多く、周りの大人たちの手を焼くこともしばしば。そのため、お母さんは「うちの子は難しい子で……」と悩んでしまいます。
こういった子どもに、「違うでしょ! 今はこれをしなさい」「できなくったっていいんだから、やめなさい」と押し付けてもなかなかうまく行きません。むしろ、自分の意思で最後までやり抜き、成功する経験を積ませて自信をつけてあげることが大切です。もちろん、ルールを守ることは伝え続けなければなりませんが、できる範囲で最大限応援してあげたいものです。
「うちの子は言うことを聞けないからダメ」と、諦める必要はありません。その子がルールの範囲内で楽しめるようにするにはどうしたらいいか、納得いくまで没頭するにはどんな工夫をしたらいいか、子どもの反応をみながら調節してあげましょう。園や習い事の教室、学校では、スタッフと事前に共有しておくと、全員が同じ視点をもってサポートできるでしょう。
(Nao Kiyota)