安倍首相の強い要請により多くの小中高が3月2日から臨時休校している件で、風向きが変わりつつあるようだ。当初は野党が「今すぐ撤回しろ!」と主張していたほか、情報番組では共働き家庭を中心にパニックが広まっていると報道。科学的根拠がないとの批判も少なくなかった。
しかし新型コロナウイルスの感染が世界各地に広まり、イタリアでは3月5日からすべての学校を10日間閉鎖。アメリカでは非常事態宣言を発令したニューヨーク州やカリフォルニア州で大学まで含めた休校措置が広まっており、諸外国では日本をモデルケースと見ているという。
「各自治体では学童クラブに続いて児童館でも生徒の受け入れを始めたところが多くなっています。また弁当持参を条件に昼間は学校で過ごすことを認めるところも増えており、パニックと言えるほどのトラブルは少ないようです」(子育て中の女性誌ライター)
そんな親たちは実際のところ、今回の臨時休校をどう捉えているのか。情報番組に取り上げられるのは、テレビ局が望む筋書きに沿うコメントばかりとの批判も少なくない。またネットでも子供のいない若いネット民や高齢者の声がノイズとなり、子育て家庭の声が伝わってこないとの批判が高まっている。そのなかで信頼性が高いと思われる情報について、前出の女性誌ライターが言う。
「今回の臨時休校に伴い、無料連絡網サービスの『マチコミ』を導入する学校が増えています。マチコミは学校やPTA、自治体など1万超の施設が利用し、登録者は194万人に及んでいます。その多くが児童生徒の保護者とあって、子育て家庭の声を最も反映しているサービスと言えそうです。そのマチコミで実施されているアンケートに、親たちの本音が表れているのではないでしょうか」
マチコミのアンケート機能では「全国一斉の臨時休校、賛成? 反対?」という質問に2万件近い回答が寄せられている。選択肢は[賛成][どちらかといえば賛成][どちらかといえば反対][反対][わからない][その他]の6つを用意。その結果について女性誌ライターが続ける。
「3月11日時点で、最も多いのは[賛成]の28.8%で、[どちらかといえば賛成]との合計は過半数の55.5%に及びます。それに対して[どちらかといえば反対]と[反対]の合計は36.7%で、賛成票が大きく上回っているのです。これを“親の声”と言い切るのは性急ですが、休校に反対する声ばかりを取り上げる一部のマスコミは、実情とかけ離れているのではないでしょうか」
もちろん、反対の声が3割以上存在することもまた事実。ともあれ長い春休みが終わったら、4月からまた無事に登校できることを祈るばかりだ。
(白根麻子)