お笑いタレントのたむらけんじが5月9日放送の「せやねん!」(MBS)に出演し、後輩芸人に無利子無担保で100万円を貸すことを決めたダウンタウン・松本人志の「松ちゃんファイナンス」誕生秘話を明かしている。
新型コロナウイルスの影響によって経済的ダメージを受けている若手芸人を対象に、松本は返済期間5年、「おもろいやつ」限定との条件を定めて、上限100万円を貸し出す方針を定めたことが伝えられた。
たむらは初めに松本から電話でこの構想を相談されたとし、「これは言っていいんかな?」と前置きしつつ、「1000人ぐらいやろ? まぁ10億円やん?」と松本が何の戸惑いもなく莫大な見積もり額を計算していたと暴露。これには、松本と同期にあたる同番組MCのトミーズ雅も「100億円くらい貯金が無かったらせえへんな」と松本の大まかな貯蓄額をイメージしていた。
実際のところ、松本の貯金額がどれほどのものかは想像すらできないが、10億円ものポケットマネーを投じて後輩への救済措置を提案する太っ腹さには多方面から称賛が集まっている。とはいえ、かつての極端な“渋ちんぶり”を知るファンからすれば、この松本の変わりようには大いに驚かされたことだろう。
「今では半ば都市伝説のようになっていますが、かつてはレギュラー番組内でも『松本人志のドケチ裁判』なる企画が放送されるなど、2000年前後の松本は強烈なケチキャラとして認識されていました。ラジオ番組『放送室』(TOKYO FM)の中でとりわけ怒りを込めて力説していたのは、後輩の結婚式での祝儀の必要性で、“一律10万円”を渡していることを公言しつつ、『俺の知らんところで勝手に女作ったやつになんで祝儀渡さなあかんねん』とくだを巻くと、その他にも出産祝いや引越し祝いの存在意義についても不満を表明。先輩から祝儀を貰っておきながら離婚する後輩には『新手の詐欺や』とも糾弾していました。また、ビートたけしがフライデー事件後に弟子の軍団に対し『お前らの面倒は一生見てやるからな』と告げたとされる男気エピソードについても、師匠・弟子の関係と先輩・後輩の関係は全く違うと主張。『俺はあいつら後輩の面倒なんか絶対見いひんよ。なんで俺がそんなことせなあかんねん』と吠え、今とは全く真逆のスタンスだったことが分かります。若かりし日の尖っていた時代の松本と比べると、“松ちゃんファイナンス”を考案した今の松本はまるで別人。もちろん当時と比べて、手にするギャラの金額も段違いなのかもしれませんが…」(芸能記者)
昨年の闇営業騒動においても、当事者として名を連ねたことで謹慎処分を受けて収入を失っていた一部の若手芸人に対し、生活費を工面したことを認めていた松本。吉本興業の稼ぎ頭として実質的なトップに君臨する存在となり、「後輩の面倒なんかみない」と吠えていたかつての“渋ちん”時代とは、立場も心意気も大きく変化したということだろう。
(木村慎吾)