ひと昔前、「世界の」といえば“キタノ”ことビートたけしだった。しかし今は、渡辺直美だ。インスタグラムのフォロワー数は約928万人で、国内トップ。2位でモデルのローラを300万以上も引き離している。さらに、昨年の「テレビCM会社数ランキング」でも、16社でトップ。12社の有村架純、広瀬すず、乃木坂46・齋藤飛鳥と白石麻衣を抑えての1位は、称賛されてしかるべきだろう。
渡辺は日本と米ニューヨークに拠点がある。両国でファッションモデルとしても活動しており、街で看板を見かけることも珍しくない。インターナショナルな名声はホンモノだ。吉本興業の先輩・麒麟の川島明が台湾を訪れた際、有名な小龍包店に行くと予約でいっぱいだったが、「ナオミと同じ会社です」と告げるとVIPルームに通してもらえたという逸話もある。
渡辺によってイメージが一新された「ぽっちゃり女芸人」。業界では“第2のナオミ”の椅子に誰が座るのかが話題だが、もっとも近い位置にいるのはゆりやんレトリィバァだとされている。
「昨年6月、アメリカのオーディション番組『America’s Got Talent』に出演して、角刈りのかつら、星条旗模様のギリギリアウトな水着を着て、手首だけを動かす奇怪なダンスを披露して話題になりました。不合格ながらも、流暢な英語で審査員と会話をする様がYouTubeで全世界に配信され、日本以外にもその名が広がりました」(エンタメ誌ライター)
年始には米ロサンゼルスに留学。YouTubeチャンネル「ゆりやんレトリィバァのシンプルライフ」では、ガチのナンパの様子を収録するなど、数字を伸ばそうと必死だ。ネタは豊富で、あのダウンタウンも太鼓判を押す。ピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」で3年連続決勝戦に進出。「女芸人No.1決定戦 THE W」の初代クイーンでもある。
その「THE W」で3代目チャンピオンとなった「3時のヒロイン」も“ポスト渡辺直美”候補と目されている。
「かなで、ゆめっちはダブルで超巨漢。デブなのにうますぎるダンス、それに海外ドラマネタでみせる外国人さながらの演技力がセールスポイントです」(前出・エンタメ誌ライター)
見る者に安心感を与えるあんこ型体形。元祖は、ピンクの電話・竹内都子で、森三中、おかずクラブ、ハリセンボン・近藤春菜、メイプル超合金・安藤なつなどが、その路線を踏襲した。さらに、アジアン・馬場園梓、柳原可奈子、ブルゾンちえみなどは、ファッショナブルなおしゃれ系ぽっちゃりとして、あこがれの対象となった。
ぽっちゃりという壁を打ち破って、ナオミスタイルを作り出した渡辺。この独走は当分続きそうだが、そろそろニューカマーが生まれても不思議ではないだろう。
(北村ともこ)