インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者の“ひろゆき”こと西村博之氏が6月2日放送の「グッとラック!」(TBS系)に出演し、番組アシスタントの国山ハセン・アナウンサーから発言を咎められる一幕があった。
番組では、コロナ禍で大きな経済的ダメージを受けた演劇やライブ劇場などのエンタメ界が今後どのような形に生まれ変わり、新たな「ウィズ コロナ」の生活様式に適応させていくか、との特集が組まれた。
その一環として、東方神起が初のオンラインライブを実施し、3D映像などの最新テクノロジーを使用した迫力ある舞台を作り上げる様子を取り上げ、ハセンアナは何度も「こういった新しい試み」と言及していたが、ひろゆき氏はこれについて「別にこういう技術って新しくなくて」と一蹴。
続けて、「もう4年前くらいからニコニコ超パーティとか日本のサービスでやってるんですよね。最初は驚かれるんですけど、本編の歌の上手さとかにあまり関係ないので結構飽きられるのが早いんですよ。で、お金かかるんで、結局みんなやらなくなっちゃった、っていうのが日本の現状なので。東方神起が新しいというよりも、昔からある技術ですよということを一応言っときます」と話し、“画期的な新しい試み”として紹介していた番組側の見解を真っ向から覆すコメントを残した。
すると、このひろゆき氏の発言に対して、ハセンアナは「なんでそう嫌なことばかり、さっきから言うんですか。新しい試みだって紹介しているのに。なんなんですか」と返し、MCの立川志らくも「今、局アナがマジでキレました」とその場を収めている。
この応酬が勃発する前にも、ひろゆき氏は“オンラインが演劇の世界を救うにはどうすれば良いか”という前向きな主題を掲げる番組の趣旨とは明らかに異なる論調で、「小劇場ってそもそも面白くないことが多いから小劇場なわけじゃないですか」などと発言。共演者の劇作家・鴻上尚史からも「小劇場だからつまんないっていうのは本当にやめてください」と一喝されていた。
「ハセンアナからすれば、ひろゆき氏の発言の一つ一つが、番組の進め方や共演者の見解からいちいち揚げ足を取っているような印象を抱いたのでしょう。それが『なんでそんな嫌なことばっかり言うんですか』との指摘に繋がったのですが、動画共有サービスのニコニコ動画の設立にも携わり、オンライン事情の最前線に立つひろゆき氏からすれば、東方神起のオンラインライブの実施を“画期的で新しい取り組み”だと終始表現していたハセンアナのスタンスに違和感を覚えたのかもしれません。つまり、遠回しに同番組の見識の浅さを指摘した格好となり、ハセンアナもそうしたひろゆき氏の態度にイライラを蓄積。しかし、ネットでは『国山君。良い悪いは別にして、色々な意見を聞かないと発展も進歩もない』『番組の意向に沿うコメントしか求めない。反対意見を出すようなコメンテーターは求めてない。新しい試みのはずが、取材もせず調べもせず』『それは嫌な事じゃなくて事実じゃないの』『新しくない技術を、新しい技術と見せかけるのは良いのか? リサーチがいい加減なんじゃないの?』と、ひろゆき氏からの異なる視点での見解や客観的事実を“嫌な事”と表現したハセンアナに批判的な声が多いですね」(テレビ誌ライター)
そもそも、「ああ言えば、こう言う」といったポジションの取り方は、“論破王”の異名を持つひろゆき氏のお家芸でもある。彼をコメンテーターとして招いた時点で、番組側はこうした事態を覚悟しておく必要があったとも思えるが…。
(木村慎吾)