新型コロナウイルスの影響で撮影スケジュールに支障が出たため、放送延期になっていた木村拓哉主演の連続ドラマ「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)がついに6月18日からスタートする。本来、初回オンエア予定日だった4月16日からは、18年の第1シリーズの傑作選が放映されていた。
キムタクのドラマが放送されると、毎回、本編以上に注目されるのが差し入れ。過去にカフェやラーメン店、クレープ屋などの有名店を丸ごと手配したことがあるだけに、キャストやスタッフの期待はいやが上にも高まる。
17年1月期の「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)は厳冬期の撮影とあって、関係者およそ150人分のためにオリジナルジャンパーを自腹で発注。「MY LOVELY CREW」というワッペンを付けた。翌18年の「BG」1stシーズンの撮影時も同じく冬だったため、防風と防寒性に優れたナイロン素材のフライト用ジャンパー「MA-1」を大盤振る舞い。セージグリーン、紺、黒の3色をそろえ、裏地はオレンジ色でリバーシブル。「I’ll do my BEST!!」というメッセージをプリントした。
このMA-1は、“ファッション番長”木村のルーツだという。
「MA-1は、アメリカ空軍の戦闘機パイロットがコックピットで着用するために開発された万能ジャケット。映画『トップガン』でトム・クルーズが着たことで有名になりました。そのトムを中学生だった木村少年が観て、『かっけぇ~』とすっかりトリコになった。買ってもらってうれしくてたまらなかった木村少年は、MA-1を着て写真を撮影。その写真が親せきによってジャニーズ事務所に勝手に郵送され、合格したのです」(アイドル誌ライター)
中学生以降、木村のファッションのお手本は海外映画だった。高校生になって影響を受けたのは、フランシス・フォード・コッポラ監督の「アウトサイダー」。アメリカの貧困層の若者グループ・グリースと、富裕層のグループ・ソッシュの対立を描いた青春映画だ。
「作中で若者たちは、Tシャツの袖をめくっていました。すると、木村少年も真似をして、めくることこそがおしゃれの最先端と思っていたそうです」(前出・アイドル誌ライター)
「アウトサイダー」は、木村のジャニーズ入所前の85年にフジテレビで放映された。このとき、主人公のポニーボーイ・カーティスの日本語吹き替えを担当したのは、元男闘呼組の岡本健一。木村が、SMAP結成前から公私にわたってお世話になった“恩師”の1人だ。
「トップガン」「アウトサイダー」で形成された木村のファッション。その延長線上に、ドラマ班の関係者に贈呈したMA-1のジャンパーがあり、尊敬してやまない大先輩の岡本がいたとはなんとも奇妙な縁だ。
(北村ともこ)