木村拓哉は明石家さんまのことを、親しみを込めて「おじき」と呼ぶ。
2人は、02年に放映されたドラマ「空から降る一億の星」(フジテレビ系)での初共演を機に、親交を深めた。撮影期間中、“墓場まで持っていく秘密”を共有しあうことで急速に打ち解けたという。終了後の翌03年から、2人が共演する正月特番「さんタク」(同)がスタート。新春の風物詩として、今年も放映された。
木村は警戒心が強いタイプ。妻はタレントの工藤静香で芸能人夫婦とあって、長女のCocomi、次女のKoki,がメディアデビューする前は、自宅に招く知人をシビアに選別していたという。そのころ、さんまは木村家に出入りしていた。トコブシという貝の煮付けをタッパーに入れて持っていっていたのだ。
「わざわざ地元の和歌山県から配送してもらったものを、届けに行っていたそうです。でもある日は、何度玄関チャイムを押しても、誰も出てこなかった。『あれ? おかしいなぁ』と思っていると、家のなかで家族全員が笑い転げていたそうです。玄関モニターに映った、トコブシを持つさんまがおもしろすぎたのが原因でした」(芸能関係者)
また別のある日は、夜10時半ごろに突然「今(木村の)家の前におるんや」と電話をかけ、トコブシを届けている。
2人の関係を物語る話といえば、互いに強いこだわりがあるTシャツだ。木村は社会現象となったドラマ・映画の「HERO」シリーズで、自身が選択した衣装を着用することが多かった。同作で演じたのは型破りな検察官・久利生公平。正義を追求するタイプだ。そこで14年放送の第2シーズン初回では、お気に入りの「ワイリー・コヨーテ」Tシャツを着た。プリントされていた文字は「LIE STOPS HERE」。ここで嘘はやめろ、という意味だ。
「その年にSMAPは、『武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)の総合司会を務めました。プログラムの中にはフェイクドキュメンタリードラマ『俺たちに明日はある』があり、さんまが出演。そこでさんまが着ていたのが、先の“コヨーテTシャツ”。キムタクに内緒で同じTシャツを買っていて、サラリと着こなしていたのです。ちなみに役柄は、SMAP解散を吹聴した犯人。“嘘”にちなんだメッセージでした」(前出・芸能関係者)
皮肉なことにこのおよそ2年後、SMAPは解散。フェイクが事実になってしまった。それでも当然、2人の関係は続行。この濃厚接触に終わりはない。
(北村ともこ)