ビジネスマナーとして、まずは名刺交換のやり方を覚えると思います。でも、名刺交換ができることはスーツを着るのと同じくらい当たり前のことで、それ自体に効果があるというわけではありません。いったいどういうことなのでしょうか。
例えば、スーツを着るだけで仕事がもらえたり、新しい契約を結べたり、人脈が増えたりすることは普通にあり得ません。それと同じように、名刺交換は最低限のマナー・常識で、そこから仕事へと発展するということではないのです。世の中には名刺交換をすれば人脈が広がるという考え方もありますが、お金を稼いでいる多くの成功者たちは、「名刺交換で仕事や人脈が増えることはない」と断言しています。
実業家の近藤昌平さんの著書「人脈を作りたかったら、名刺を捨てなさい」(サンマーク出版刊)には、人脈を作りたかったら、会社の看板や何を売って儲けているかなど、「損得感情を全部捨ててみる」と書かれています。つまり、肩書きを捨て去り、裸になったあなたの性格、個性、笑顔、思いやりの心で人を引きつけてみる。そこから始めることが大事だということなのです。
そして、いつでも「ギブ&ギブ・ギブ」をすれば名刺は不要とも。相手に喜ばれることをしてあげること、そうすれば自己紹介は必要なく、自然と他人に紹介してもらえる「他己紹介」になるそうですよ。それなら名刺は必要ないですよね。
また、作家の田口智隆さんの著書「お金が貯まる人はなぜ時間の使い方がうまいのか」(PHP研究所刊)では、1日に何十回も交流会に出席して1,000枚の名刺を集めるよりも、1ヵ月に1回交流会に参加し、たった1人の気の合う人の名刺を手に入れるほうが、何倍も価値があると書かれています。
成功のために、“手当たり次第”に名刺交換をしようとするという考えは、どうやらなくしたほうがよいのかもしれませんね。