コロナ禍で健康志向が高まる中、免疫力を気にしてヨーグルトや納豆、乳酸菌飲料などを積極的に摂取する人が増えています。とくに注目を集めているのが「ヨーグルト」です。実はそのヨーグルト、研究が重ねられてよりパワーアップしているのをご存知でしょうか?
『腸の奥からの健康を考える研究会』が開催した免疫および発酵に対する正しい知識を伝えるセミナーで、帝京平成大学健康メディカル学部教授の松井輝明さんは、免疫力アップのためには食品中で起こる発酵同様の“体内(腸内)発酵” が重要だと述べていました。これにより、大腸でスーパー物質「短鎖脂肪酸」が作られ、免疫力アップが期待できるのだそうです。
ちなみに、大腸で短鎖脂肪酸を作るには、大腸で働く有用菌と有用菌のエサである水溶性食物繊維が必要なんだとか。それらの中でも「ビフィズス菌」は大腸で働き、最もメジャーな水溶性食物繊維である「イヌリン」は体内(腸内)発酵力が高く、多くの短鎖脂肪酸を作るそうです。
この「ビフィズス菌×イヌリン」は研究が進められてすでに市販もされており、健康効果が期待できる“新しいヨーグルト”といえそうです。メタジェン代表取締役社長CEOで慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授の福田真嗣さんは、腸内細菌叢(そう)の状態は人によって異なるため、乳酸菌のみが含まれる普通のヨーグルトの摂取では効果を十分に得られない人でも、ビフィズス菌とイヌリンが添加されたヨーグルトを摂取することによって、その効果を得られる人の割合は増えると考えられると述べています。
このニューノーマル時代、ヨーグルト選びの際には、「体によさそうだから」「美味しそうだから」という基準だけでなく、「ビフィズス菌とイヌリンが入っているから」という基準も加えることで、私たちの健康を守ることができるのかもしれませんね。