今年5月に行われた山本周五郎賞の選考会で、小説「永遠とは違う一日」が候補作品にノミネートされた、モデルの押切もえ。
2013年に「浅き夢見し」で小説家デビューした彼女だが、その実力は折り紙つき。惜しくも受賞には至らなかったものの、多数の審査員が「永遠とは違う一日」を推していたという。
「火花」で芥川賞を受賞したピースの又吉直樹に次いで「芸能人作家」となった押切だが、今、出版界は彼女の「作家専業」に期待を寄せているという。文芸誌の編集者が語る。
「文学界のためにも、押切さんには『モデル』から『作家』の肩書きに早く変えてもらいたいですね。又吉さんの場合は本業のお笑いありきなので、専業になってもらうのは無理ですが、押切さんの場合は存分に可能性があると思っているんですよ。同意してくれる出版関係者もたくさんいます」
なぜそこまで「作家」の肩書きにこだわるのかといえば、
「『モデルが書いた小説』よりも『美人作家の書く小説』のほうが圧倒的に読まれやすいからですよ。現在、文学界で美人の人気作家といえば綿矢りささんと川上未映子さんの2強が際立っていて、今年1月に芥川賞を受賞した本谷有希子さんがそれに次ぐ感じなのですが、この中に押切さんもぜひ入ってほしいんです。小説の売上も数倍はいきますよ」(前出・編集者)
押切には内容とビジュアルの両面で存分に文学界を盛り上げてほしいものだが。
(白川健一)