町の健康センターに数百人のマダムたちが集まり、色とりどりのサイリウムを揺らす。メンバーは華麗に歌い、踊り、そして客席に降りてファンとのスキンシップに余念がない。「噂のムード歌謡」アイドルグループ「純烈」のライブは、今、日本でもっとも濃密な空間かもしれない。今回は振付け担当の友井雄亮を直撃インタビュー。
──「純烈」のステージを見始めて3年ほどになりますが、このところ、ダンスのバリエーションが格段に広がっているように思えます。振付け担当として、そこはいかがですか?
友井 本当にそう見えます? だとしたらメンバーのスキルが上がったんでしょうね。結成するまでは僕しかダンスはやったことなくて、他は経験ゼロでした。
──そのくらい本来のレベルに差があると、振付けにも影響はありますか?
友井 そこはリーダーの意見が大きかった。僕が最初、作ったものに対して「もっとキャッチーにしなきゃダメだ」と。それは単に技術差ではなく「お客さんも一緒に踊れるようなライブ作りがしたいんだ」という一貫したポリシーがありましたから。
──ああ、なるほど。たしかに健康センターのライブでも、小さいお子さんまで一緒に踊っている場面を目にするようになった。
友井 確実に踊ってくれるお客さんは増えていますね。だから俺らも踊っていて、さらに乗ってこれるんです。
──「純烈」のステージだけでなく、その華やかさはNHKの「うたコン」でも重宝されています。
友井 どこか便利屋みたいに思われているかもしれないけど、でもよく言えば、他にこんなグループはいないと思うんですよ。それはメンバーが力をつけてきてくれたから、皆で相談しながら作っていけるようになりましたね。