数多くのテレビドラマや映画で活躍した女優の野際陽子さんが13日午前、肺腺がんのため入院中の病院で死去した。81歳だった。
この訃報に俳優の佐野史郎、仲間由紀恵、石坂浩二らの役者仲間が追悼の言葉を寄せた。知的で、おおらかで、包み込むような優しさを持つ野際さんの人柄は、多くの人から愛された。
そんな野際さんを苦しめたただ1人の人は、かつての夫で俳優の千葉真一だと芸能ジャーナリストは振り返る。
「千葉は1973年に、ドラマ『キイハンター』(TBS)で共演した野際さんと結婚し、75年に娘を授かります。結局、94年に離婚するのですが、その理由について野際さんは『友達に戻りたくなった』と話すにとどめ、会見も2人で行い、円満離婚を印象付けました。けれども、千葉は映画監督をやりたい、ハリウッドに進出したいなどの夢ばかりを追いかけ、それに費やす金額は半端じゃなかった。借金もしました。野際さんはその尻拭いをして、離婚したんです。金でも女のことでもずいぶん泣かされたのに、それを口にすることは一切なかった。そんな潔い、凛としたところも、多くの人から愛された理由です」
野際さんは現在放送中の「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)、6月24日から公開される映画「いつまた、君と ~何日君再来~」に出演している。女優人生を全うした野際さんに大きな拍手を送りたい。