「第59回輝く!日本レコード大賞」の各賞が11月16日に発表され、特別賞として阿久悠、安室奈美恵、「ダンシング・ヒーロー」荻野目洋子/大阪府立登美丘高校ダンス部、ゆず、和田アキ子の5組が選ばれた。この人選について音楽ライターが解説する。
「作詞家の阿久氏は没後10年の節目という理由でしょう。特別功労賞でも良さそうなものですが、同賞はすでに受賞済みなので、特別賞をもって叙したものと思われます。安室奈美恵はもちろん引退発表を受け、これまでの活動に対してのもの。荻野目と高校ダンス部はネットで大きく話題になったことへの評価でしょうね。ゆずはデビュー20周年に加え、今年初めて全国ドームツアーを行うなど今でも成長中な点がポイントかもしれません」
これらの4組については世間も納得の理由がある。それに対して和田アキ子については「今年、なにか特別なことした?」との異論が噴出しているというのだ。
「和田が受賞した唯一で最大の理由は、今年がデビュー50周年だということでしょう。しかし10月25日に発売した記念のベストアルバムはオリコン週間CDランキングで239位と低迷。11月27日には50周年コンサートを開催しますが、3000人規模のNHKホールが完売できていない状況です。これでは50周年が祝えないということで、この特別賞受賞を働きかけたのかもしれません」
つまり今回の受賞はサラリーマンで言えば永年勤続表彰のようなものか。それなら功労賞でもよかったような気もするが、「現役歌手」にこだわる和田には受け入れがたいのかもしれない。
(白根麻子)