この客足は想定外だった!?
23日の祝日、アメコミ大作「ジャスティス・リーグ」とほぼ同規模の318館で封切られた映画「火花」。ご存じ、原作は又吉直樹の芥川賞を受賞した大ベストセラー小説で、映画化も話題になっていただけに意外すぎる出足だと映画担当記者も首を傾げている。
「12月に入る前で、まだそれほど強力なライバルがいない中での公開。原作の知名度に加え、菅田将暉、桐谷健太という人気者が主演。配給元も東宝と万全で、予告編もかなり流していただけに、同日公開の『ジャスティス・リーグ』とトップ争いをするというのが大方の読みでした。中には『余裕で火花が1位だろう』と予想する人もいたほどです」(映画ライター)
ところが、幕を開けたら予想外の空席。事前予約でも席がなかなか埋まらず、公開日の23日の午前中こそ舞台挨拶で格好はついたものの、徐々に1位の「ジャスティス~」に引き離され、ついには公開4週目のホラー映画「IT」にも追い抜かれた。終わってみれば、初日の座席着席率は8%で、上位10作品の中で唯一10%を割り込んでしまったという。
「公開初週でスクリーン数も多く、(客席数の多い)大きな箱をあてがわれたことが着席率の低さに繋がったことは確かですが、『ジャスティス~』が18%、『IT』に至っては38%もあったことから、『火花』がどれほどガラガラだったか想像に難くありません。公開初週の日曜日で給料日後の26日という書き入れ時に、都内で最も客を集める某シネコンでは、『火花』にあてがっていた407名収容の大型箱と、『IT』が上映されるはずだった184名収容の中型箱が入れ替わっています。大箱営業は無理だと踏んだか、箱を小さくして“残り半分”や“残席わずか”などの印をつけたかったのか真意はわかりませんが、予約開始直前の大英断でしたね」(前出・映画ライター)
直前にスクープされた板尾創路監督の不貞騒動が影響したとは思えないが、いずれにせよ、芥川賞が色褪せかねない寒いスタートとなったようだ。
(塚田ちひろ)