5種類の4回転ジャンプを跳び、羽生結弦選手の最大のライバルとも言われるアメリカのネイサン・チェン選手が、ロシアのメディアからの取材で、羽生選手に対する意外な思いを語ったという。
「平昌五輪に向けてのインタビューを受けた時の話です。記者が、羽生選手がひどいミスをしなければ、羽生選手に勝てる人はほとんどいない。そんななか、GPロシア大会でチェン選手が羽生選手に勝てたことについてどう思うか尋ねたのです。チェン選手は、羽生選手の難易度の高いプログラムに勝った時には、自分が目的に向かって正しい道に進んでいると感じたと話していました。さらにチェン選手は、フィギュアスケート選手は皆、羽生選手に大きな恩義を感じていると語ったのです。羽生選手がどう滑り、どんな仕事をし、どれほど競技に没頭しているか。また、フィギュアスケート競技自体がどうあらねばならないのかを見ることによって、もっと羽生選手のようになろう、もっとよくなって前進しようという新しいモチベーションが生まれるというのです」(スポーツライター)
羽生選手をライバルとして、同時に尊敬する先達として目標にしているということだろう。世界のトップ選手が「恩義」という言葉を使うほど、羽生選手は文字通りスケート界を牽引する偉大な存在となっているようだ。
(芝公子)