たのきんトリオとして活躍した近藤真彦、田原俊彦の周囲が騒がしくなっている。近藤は年下女性との不貞旅行が報じられ、芸能活動を自粛。田原俊彦は娘でタレントの田原可南子が12月4日放送の「日本一のものまね王者が今夜決定!ものまね王座決定戦 年に一度の鉄板ネタガチンコバトルスペシャル」(フジテレビ系)に出演。親子で注目を集めた。
そんな2人に野村義男を加えた3人は、79年に放送されたドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)の生徒役で芸能界デビュー。田原の「た」、野村の「の」、近藤の「きん(=近)」と頭文字を取ったユニット「たのきん」(当時)として活動すると、翌80年に人気が爆発。3人を世に送り出したジャニー喜多川氏の読みが見事に的中した。
たのきんの名付け親は、ジャニー氏。名字を組み合わせてユニット名にするパターンは、平成に突入してからKAT-TUN、Kis-My-Ft2が引き継いだ。
ネーミングセンスからもわかる通り、ジャニー氏はひらめきの天才。たのきんの「金八」出演は、その最たるものといえる。
「3人は、生徒役オーディションを受けていません。すでに終わり、撮影が始まろうとしたときに“追加入学”したのです。ジャニーさんが10人ほどを無理矢理TBSのドラマプロデューサーに会わせ、目に止まった3人が教室のいちばん後ろの席に座らされ、セリフなしからスタートしたのです」(芸能レポーター)
ドラマの名物は、武田鉄矢演じる金八先生が「3年B組」と叫んだあとに、生徒が「き~んぱち先生~」と声を合わせて取り囲むオープニングのシーン。シリーズファイナルの第8シーズンまで同じ東京・足立区の荒川土手で撮影されたため、連日ファンが押し寄せる有名スポットになった。
「その第1シーズンのオープニングに、3人の姿はありません。撮影が進んだあとに加わったからです。マッチは角刈り、役柄より実年齢が2才上だったトシちゃんは少し大人びていて、ヨッちゃんは笑うと顔がクシャクシャなのが魅力。話数を重ねるごとに3人の席が後ろから中、前へ“昇段”していくと、視聴率もうなぎ上りになりました」(前出・芸能レポーター)
同作は、杉田かおるが弱冠15歳で妊娠・出産する衝撃なストーリー展開で一気に数字を伸ばした。当初は、子役で経験が豊富で、すでに連ドラ「パパと呼ばないで」(日本テレビ系)のチー坊で「天才子役」の名をほしいままにした杉田、その相手でパパになる鶴見辰吾、ヤンキー役の三原順子(現・じゅん子)が生徒役の肝だった。ところが、徐々にたのきんが数字を持ちはじめ、近藤が主役の回は19.9%という驚異的な跳ね上がりを見せた。
およそ41年前、ジャニー氏のごり押しウルトラCで「金八」に出演できた、たのきん。このズブの素人トリオが追加入学しなければ、トシちゃん、ヨッちゃん、マッチは生まれなかった。昭和、平成、令和の男性アイドルシーンを牛耳った稀代の名プロデューサー・ジャニー氏。その目は常に確かなのだ。
(北村ともこ)