東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の後任を選ぶ第3回検討委員会が2月18日に行われ、橋本聖子五輪相が組織委会長を受諾する見込みだ。前任の森会長が女性蔑視発言で辞任、川淵三郎氏への禅譲もとん挫したことから、「若さ」「女性」「アスリート」という3つの資質が求められていたが、56歳で7度出場のオリンピアンでもある橋本氏なら、なるほど適任と言えるのかもしれない。
ところがここにきて蒸し返されているのが、7年前に世間を騒がせた橋本氏の“性ハラ”騒動だ。
「事件が起きたのは2014年、ソチ五輪閉会式後の選手村でのこと。打ち上げでフィギュアスケートの高橋大輔選手に橋本氏がキスを強要したと週刊文春が写真付きでスクープ。高橋選手の背中に手を回して彼の顔に向けて唇をすぼめる写真はかなり生々しいものでした。橋本氏は当時、参院議員にして日本スケート連盟の会長、かつソチ五輪の日本選手団団長。報道後『(高橋選手だけではなく)他の選手やスタッフにもキスやハグをして盛り上がった』と釈明していましたが、そのほうがよっぽど問題だろうと言われていました。橋本さんは体育会ノリで酒に飲まれるタイプなので、今後ほかの“被害者”が名乗り出てこないともかぎりませんからね」(スポーツライター)
オリンピック憲章には「スポーツにおけるあらゆる形態のハラスメントおよび暴力からのアスリート保護」が謳われているが、明確な上下関係がある中での橋本氏の行為は五輪憲章にもとると指摘されても仕方がない。ともすれば、森前会長の女性蔑視発言に匹敵する黒歴史である。
開幕まであと5カ月、オリンピックが開催されるのかさえ未だ不透明な中、ドタバタと決定した組織委新会長。一部では事実上の“五輪中止役”とも囁かれており、将来のある人を選べなかったという穿った見方もあるが、果たして…。