出産を控えている方や将来子どもが欲しいと考えている方の中には、コロナ禍での出産・育児に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。実際に、多くの方が次のような不安を抱えて出産に臨んでいるようです。
国内最大の民間さい帯血バンクを運営するステムセル研究所が2021年1月、全国の妊娠中の20~45歳の女性433名を対象に実施した調査で、妊娠期間や出産、子育てに不安を抱いているかどうかを尋ねた結果、「かなり不安」(30.5%)、「やや不安」(58.0%)をあわせて88.5%が不安を感じていると回答したそう。
また、その不安の度合いに新型コロナウイルスに関する事柄が影響しているかを尋ねた結果は、91.7%が「影響している」(「かなり影響している(47.8%)」、「やや影響している(43.9%)」の合計)と回答したそうで、ほとんどの方がコロナ禍での出産や育児に不安を感じているようです。
妊娠期間における具体的な不安要素を尋ねた結果は、「自身の感染」(86.6%)、「パートナーや家族の感染」(86.6%)、「赤ちゃんへの影響」(80.4%)、「産後の新型コロナ禍での育児」(66.1%)、「外出控えによる運動不足、体調管理」(46.0%)と、家族の健康面に関する不安が多くを占めた様子。
健康面以外にも、「身近な相談相手に会えない」(25.4%)、「産院の出産の取りやめや閉鎖、転院」(24.7%)、「ママ友が作れない」(22.4%)、「収入源」(21.9%)、「パートナーとの意識差」(20.8%)などが挙げられていました。
同調査では、実際に新型コロナウイルスによって影響が出た事柄も尋ね、「産後に家族や友人と面会ができない・制限がある」(83.1%)、「立ち合い出産ができない・制限がある」(82.9%)、「妊婦検診にパートナーが同行できない」(28.4%)、「母親学級や両親学級の中止」(47.6%)などの回答が多く寄せられていて、感染症対策による制限が、不安や孤独感につながっているようです。
感染リスクだけでなく、出産・育児に関する制限や経済的な打撃など、コロナ禍による影響は多岐にわたっています。不安を軽減して前向きに出産・育児に取り組むには、産院やパートナーとの連携を大切にし、安心できる行動を選択していく必要がありそうですね。
(Nao Kiyota)