かつて、芸能人とは一般人からは手の届かないカリスマ的な人気を誇る存在であった。
歌手では安室奈美恵や浜崎あゆみ、女優では柴咲コウや佐々木希など、完璧に美形なルックスを持つものが視聴者を魅了していた。
しかし、今の10代から20代の女性が求めているのは、より身近な存在である「インフルエンサー」。それも、「ブサイク」を自称するYouTuberが人気を博しているという。
YouTube事情に詳しい女性ライターに話を聞いてみた。
「00年代中盤に、益若つばさや小森純といった『読者モデル』の登場により、スタイル抜群のモデルではなく、読者に近い一般的なルックスが人気になりましたよね。その後、YouTubeが世間に浸透してからは、美人枠ではないYouTuberが求められるように変わっていきました。『岡山が生んだ奇跡のブサイク』をキャッチコピーにし、メイク動画が人気のまあたそや、女のあるあるネタをブスキャラで叫び、ブレイクしたエミリンなどが良い例です。さらに、まあたそはメイクをすると超美少女に変身することから、コスメのプロデュース業に関わり、エミリンはブスキャラを脱却し、ダイエットに成功して可愛くなり、アパレルブランドを立ち上げて成功しているため、『もしかしたら私も彼女たちのようになれるかも?』と、女性視聴者に希望を与えていることも、人気の一つなのかもしれません」
テレビでは、女性からクレームが来ることから、ブスいじりは過去の芸風となりつつあるが、YouTubeでは一転して人気コンテンツの一つとなっているようだ。
(佐藤ちひろ)