タレントのデーブ・スペクターが8月29日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)に出演し、東京都が渋谷に設置した若者向けのワクチン接種会場について苦言を呈した。
小池百合子都知事は、10代や20代といった若者にも新型コロナウイルスのワクチンを接種してほしいとの思いから、27日正午より渋谷駅近くの区立勤労福祉会館に予約なしで接種できる会場を開設した。
しかし、1日の可能な接種人数が200~300人程度と少なく、初日の早朝から現地には大行列ができるも、午前7時半の時点で8月27日分の接種枠は上限に達し、受付を終了。都は、「早朝からこれほどの人数が並ぶことは予想外だった」として、8月28日以降は抽選制とすることを決めた。
若者による行列で密状態となったうえ、1日の接種可能な人数についても「少なすぎる」との批判が集まる中、デーブも「200人か300人しかできないのは人を馬鹿にしてるとしか言いようがない」と苦言。さらに、そのやり方に関しても「時代遅れ。今、海外では薬局でタダで(ワクチンを)打てるし、検査キットもイギリスは郵送で無料。(日本は)まるで1年前のようなことをやっている。何をやってたんだと。不思議なくらい危機感がない。場所はいくらでもある。ポーズにしか見えない」と海外に比べて大きく遅れを取っていると指摘した。
モデルの長谷川ミラも「打ちたい人がいるのに、いつまで経っても若者のせいにするのは本当にやめてほしい」と訴え、接種を希望する若者に早急にワクチンが行き届くよう、都に対策を求めた。
「東京都は、若者がワクチンのリスクを恐れて接種を拒んでいると考えていたのかもしれませんが、実際には打ちたくても打てない人が大量に押し寄せ、前日からの徹夜組まで出現。その列は1キロにも及んだと報じられました。これを『予想外だった』とした東京都に対して、ネットでは『日本を代表する若者の街の渋谷なのに、人が並ぶことが予想外だったって、どなたが考えても全く信じないと思います。最初からわかっていた話です』『計画した方々はアホなんですか?』『これが予想できてないなら行政の施策として失格もの』『小池の考えが甘い!』『若者がただ面倒臭くて打ってないとでも思ったの?』と、デーブと同様に計画の甘さを指摘する声が並んでいます。また、河野太郎行政改革担当相も8月29日放送の『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)にて、今回の予約なし接種会場での混乱に関し『打ちたい人がたくさんいる中で予約なしというのはかなり無謀な話』とし、『今はネットで抽選ができるわけですから、そこまで抽選券を取りに来てくださいという必要はないと思います』と指摘。小池都知事のやり方を疑問視していました」(テレビ誌ライター)
ワクチン接種を目的に集まった若者が、行列でのクラスターに巻き込まれるという本末転倒な結果とならないよう祈りたいところだ。