極意その2 フランス流日曜大工<ブリコラージュ>のススメ
自分の部屋をデコレートするのに、何よりわたしのお薦めは手作り!
楽しく、自分好みに、なおかつお金をかけずにできるのです。
始めはフォトフレームなど、小さなものから手がけてみるといいのかも。イメージ通りに完成したときの達成感を一度味わうと、次はさらに大きなもの……椅子、本棚、ランプなどを作ってみようと、チャレンジ精神がわいてきます。
借りている部屋だとできることに限界があるかもしれませんが、お気に入りのポストカードを張るだけでもいいと思います。
自分のお気に入りのスペースができると、人を招きたくなります。恋人を呼ぶのはもちろん、男性のひとり暮らしでもホームパーティーをするのは珍しくありません。
パーティーといっても大人数ではなく、気の合った少人数で。料理一品持ち寄り制にして、ホスト側は凝ったキャンドルとワインを用意するぐらいでOK。
お目当ての女性を誘いたいとき、まずはホームパーティーから。そんな男性も多いようです。
「この写真立て、いいわね!」
「ええと、僕が作ったんだよ」
なんていう会話が弾んで、仲が深まるかもしれません。
おしゃべり好きなフランス人は自分の部屋を見せるのも大好き。
「僕はこの部屋の演出は、ここにこだわってるんだよ」
なんて、長い演説が始まってしまうかも!
部屋の広さや、家具の高価さよりも、フランス人が大切にしているのは自分らしさ。そして自己表現。
わたしは日本が大好きなので、パリの部屋にも畳のスペースを作りました。座布団や掛け軸などもあって、小さいけれどそこはパリでの和空間。そこでお抹茶を飲んだり、お香をたいたり。有田焼の食器も使っています。パリにいても毎日、ジャポニスムの気分を味わっています。
パリの部屋にも、小さな日本間。フランスと日本の懸け橋になりたい! と、日々飛び回っているわたしならではの、わたしが創り出した空間です。
自分らしさを表現するのにブリコラージュ(日曜大工)。
夢中になって大工仕事をしている男性はとても魅力的です。
でも日本では敷金の問題があって、借りた部屋を改造したり飾りつけたりできないので残念に思います。わたしは敷金のシステムには大反対! でもできる範囲で、自分らしさを表現してみてくださいね。
壊れた家具もポイと捨てたりせず、欲しいからといってすぐに買いに行ったりせずに、リフォーム、リサイクル、そしてリペア!
フランス人はそうやって節約しながら、楽しく暮らしているのです。
愛される男の自分革命 人生が100倍輝く フランス人の極意
ドラ・トーザン(Dora Tauzin)/著 発売日:2016年05月20日 ISBN:978-4-19-864159-7 判型/仕様:四六判 定価:本体1,400円+税
ドラ・トーザンDora Tauzin エッセイスト。国際ジャーナリスト。仏・パリ生まれ。ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業。国連広報部勤務後、92年からNHKテレビの「フランス語会話」5年間レギュラー出演。慶応義塾大学講師を経て、現在は「アンスティチェ・フランセ東京」、「アカデミー・デュ・ヴァン」などで講師を務める傍ら、新聞、雑誌への執筆や、講演、テレビ・ラジオのコメンテーター等多方面で活躍中。 『フランス人は「ママより女」』、『パリジェンヌ流 今を楽しむ!自分革命』『フランス人は年をとるほど美しい』など著書多数。2015 年レジオンドヌール勲章シュバリエ受章。