春の連ドラで、終始ダントツの視聴率で駆け抜けた松本潤主演のドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)。舞台美術にも凝っており、随所に見られる、思わず笑ってしまうような仕掛けも話題となった。
「どのシーンでも、映らないところまで細かくきちんと作り込んでいるんです。松本演じる主人公の深山が下宿する居酒屋『いとこんち』が特に秀逸で、壁にかかったお品書きが歴史年表になっていたり。わざわざビデオに録画して、仕掛けられたネタを探したファンもいたようですね。この居酒屋の出来には出演者も驚いたそうです」(テレビ誌記者)
第6話で初めてこの居酒屋のシーンに出演した深山のボス・班目春彦所長を演じた岸部一徳は、それまでずっとどこかのお店を借りて撮影をしていると思い込んでいたという。
「岸部自身は『役の上で部下の成長を楽しみつつ、僕自身もオンエアで彼らの成長ぶりを楽しんで観てる』と言っていましたから、視聴者と同じ感覚で観ていたんですね。ドラマの裏事情に詳しい役者さんまでセットだとは思わなかったというんですから、美術陣の働きがいかにすごかったか、ということでしょう」(前出・テレビ誌記者)
ドラマの魅力は脚本、キャスト、演出だけではないことを教えてくれたドラマであった。
(伊藤その子)