お笑いの世界では、ピン芸人のヒコロヒーや、Aマッソといった面々がそろって下半期のバラエティを盛り上げている。3人は同年代で、芸歴もほぼ同期。加えて、斜に構えた独自のセンスを売りとしており、前者は松竹芸能、後者はワタナベエンターテインメント所属で、吉本興業以外から現れた数少ない女性芸人の期待のホープだ。
とりわけ、ヒコロヒーの人気の加速は凄まじく、場末のスナック感をまとい、YouTubeチャンネル「ヒコロヒーの金借りチャンネル」では、霜降り明星・せいや、3時のヒロイン・福田麻貴といった人気芸人からお金を拝借。バラエティ番組でも、たびたび借金をネタにトークを繰り広げることが多く、コアな層のファンに刺さるネタを披露し続けている。
一方のAマッソは、下半期に大きなブレイクを果たすと、10月5日放送のラジオ番組「Aマッソのヤングタウン」(MBS)にて、加納愛子、村上愛、ともにすでに結婚していることを報告し、大きな話題となった。2019年冬に3人組ロックバンドのザ・ラヂオカセッツの山下秀樹と結婚していた加納は、これまで既婚であることを言わなかった理由として、「なんやろね。本音を言えば、おもんないと思われたくなかった」と語り、芸人としてのカラーが変わってしまうことを心配していたのだという。
「Aマッソのネタはエッジの効いたものもあり、2019年9月には、ライブ中に『ダイバーシティについて配慮を欠く発言を行った』として、事務所が公式サイトに謝罪声明を発表する事態もありました。当時のAマッソは2016年にM-1グランプリでセミファイナルに進出するなど、実力派として徐々に知名度を上げている最中でした。攻めた笑いをポリシーとしているAマッソとしてはブレイク前夜の黒歴史となりましたが、あれから2年が経過し、再びブレイクし始めているのは、やはり根底に確かな笑いの実力が備わっているということでしょう」(テレビ誌ライター)
2021年12月13日に放送された「女芸人No.1決定戦 THE W」では最終決戦に進出。惜しくもオダウエダに敗れたが、その実力を十分世に知らしめたと言えるだろう。
2022年も、2組の快進撃は続くのだろうか。
(木村慎吾)