俳優・山下真司が1月24日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、感染が拡大する新型コロナウイルスのオミクロン株について言及した。
東京都では、従来のデルタ株よりも感染力が強いとされるオミクロン株の急拡大が続き、1月25日には1万2813万人の感染者が報告されるなど、多くの陽性者が出ている。
番組に出演した、統計学の専門家で政策研究大学院大学の土谷隆教授によると、このまま感染拡大が続いた場合、2月8日には濃厚接触者の数字が143万人にも達するだろうと試算。これは、都民の10人に1人が濃厚接触者になる計算となり、全員が隔離生活を余儀なくされてしまうと、社会活動に大きな支障が出ることになる。
これに関し、山下は「デルタ株でなくてよかった。デルタでこの数だったら本当に大変なことになった」とし、「オミクロンはどうってことないでしょ?」との持論を展開。オミクロン株の重症化リスクの低さを指摘したが、MCの谷原章介からは「まぁ、でも、どうってことない場合もあるが、ワクチンを打ってない方にとっては重症化しやすい部分もまだあるみたいなんです」とやんわり反論。再び山下が「じゃあ、ワクチンを早くくださいよ。あと飲み薬。早くやってほしいよ」と治療薬の迅速な普及を求めると、谷原は「ただ、難しいのはワクチンは3回打っても、結局、今度イスラエルは4回目もやってるわけで‥‥」と世界のワクチン事情について言及した。
「感染力の強さとは裏腹に、死に至るリスクの低さも併せて伝えられているオミクロン株ですが、SNSやネットでは、一連のやり取りに対し、『メディアを通して無責任でお気楽なご発言』『今苦しんでる人もいるのに』『どうってことなくない人を切り捨てる暴言がテレビで普通に垂れ流される』『こういう人がコロナを広めるんだろうなぁ』などの呆れ声が散見。また、重症化の可能性を指摘されるや否や、『じゃあワクチンを早くくださいよ。あと飲み薬』などと反論した点にも、『駄々っ子かよ』『わがままな発言』『それが出来たら誰も苦労しない。公共の電波でいい加減、かつ無神経な発言はやめてください』などの指摘も。一方、『どうってことないは言い過ぎかもしれんが、デルタ株に比べたら感染力はあっても重症化しにくいのは明らかだろう』『正解がない。重症化しないんだからいいんじゃね? という人もいれば、自分は大丈夫だと思うけど、うちの祖父母は? という人もいる。意見が一辺倒にならないのはワイドショーとしては健全』『山下さんの言うことも理解できるし、谷原さんのように危機感を持たないでいることへの用心もわかる』『こういう意見だって一理あるでしょ』といった反応も上がっています。コメンテーターとしての山下の見解も、番組MCとして慎重に意見を述べたいという谷原も、どちらも間違っていないと考える人も少なくありませんでした」(テレビ誌ライター)
とはいえ、重症化するリスクが一定数存在し、亡くなっている人も出ている以上、オミクロン株を「どうってことない」と表現することは、報道番組においてはやや軽率だった可能性も否めないだろう。
(木村慎吾)