モテるための“会話テクニック”というものがあります。
1分間で原稿用紙1枚分の文字を読むくらいのスピードで話す、頷きながら相手が話した最後のフレーズを繰り返す、まだ親しくない相手ならイエスかノーで答えられる質問をするなどです。これらは、もちろんとても効果があります。なので、こうしたものはどんどんマスターして活用するとよいでしょう。
でも、もっと大切なことがあります。それは、“会話上手にならない”こと。相手の心に寄り添い、思いやる一言を言える魂を持つということです。魂なんていうと大それたことに感じるかもしれませんが、とても簡単で当たり前なことなのです。
例えば、同僚や部下の家族がお亡くなりになって、会社に忌引き申請を出しているとしましょうか。それを知っても淡々と何も声をかけない人が昨今とても多いですが、そうではなくて「大変ね。大丈夫?」と、たった一言でも声をかけるのです。
こんな話は“モテテク”から遠いことに感じるかもしれませんが、実はとても近い話なんです。家族や親族とのお別れは、とても大きな悲しみやツラさを伴います。そういう人の心を気遣えない人が、楽しい男女関係を築けるでしょうか? いくらテクニックを駆使したところで、本質的にダメなところが相手には伝わってしまうのです。
ダメな心では何をしてもダメ。根っこを直して育てることが“モテ”の大前提なのです。本当の優しさとは、相手の身になって考えるという“普通のこと”ができる人の心に宿ります。その心を持つ人は、自然といい恋愛関係を築いていくのです。そんな人を目指してみませんか?
安藤房子(あんどうふさこ) 恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テストの作成やメディアでMCとしても活躍中。