今年は香取慎吾と草なぎ剛がジャニーズ事務所に入所して35年の節目だ。87年に入所した頃、香取は小学生でランドセルを背負っていた。草なぎは、弟をかわいがる感覚で香取と親しくなっていった。以降、私生活でもグループでもいちばん仲がよくなり、ファンの間では「しんつよ」の愛称で親しまれていった。
SMAP時代に始まった2人がメインパーソナリティのラジオは、改題を重ねながら「ShinTsuyo POWER SPLASH」(bayfm)として続行。グループが解散しても終わることはなく、今年で27年の長寿番組となった。
香取は「パーフェクトビジネスアイドル」を公言し、用心深すぎる性格。芸能人の友人をほとんど作らず、共演者と連絡先を交換することを避けてきた。連絡先を知っているのは山本耕史や観月ありさ、キャイ~ン、アンタッチャブル・山崎弘也といった長い共演歴がある者だけ。一時期は、SMAPのメンバーの連絡先さえ知らない時期もあった。そんななかでも草なぎは別格。関係はさながら老夫婦だ。
マイペースすぎる草なぎは、怒らないことで有名。ところが、“仏の草なぎ”が香取に対して声を荒げたことがある。ファンの間では有名な15年に起こった“アメ車落書き事件”だ。
「ある夜、香取が飲んだ勢いで草なぎを呼び出すと、買ったばかりの高級ヴィンテージ車で駆けつけてくれました。宴席では、そのアメ車のボディのペインティングがいかにすごいかを草なぎが熱弁。先に店を出た香取が駐車されていたアメ車を発見するや、ボディのペイントの脇に自分のサインをしたのです」(アイドル誌ライター)
翌日、仕事で草なぎと会っても何も言ってこなかった。その後も双方が切り出すことなく、数カ月が経過。年末のグループ恒例特番「さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル」(日本テレビ系)のVTRで、香取が初めて打ちあけた。草なぎは、「今知った」と呆然。英字もあるボディのペインティングにサインがフィットしていたため、まったく気づかなかったという。
「しかも、描かれていたのは運転手側ではなく助手席側。帰宅後、ようやくサインを発見した時は、さすがに『ふざけんなよ!』と語気を強めたそうです」(前出・アイドル誌ライター)
そのヴィンテージカーは1969年式のシボレーC10。購入額にカスタマイズ費、維持費などを加えると総額700万円以上。元来、草なぎは多趣味。車にギター、ジーンズに靴、バイクにスカジャンなど、ほしいものには金に糸目をつけない。19年に開いた単独ライブでは、ステージ上でそれらの一部を公開して、総額2億円と報じられた。
日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。一流俳優となった今なら、多少の落書きくらいなら笑って許せるかもしれない?
(北村ともこ)