ダンス&ボーカルグループ「TRF」のSAMが5月30日放送の「ポップUP!」(フジテレビ系)に出演し、1992年当時の同グループ結成秘話を明かした。
10代の頃からディスコに通い詰め、ダンス漬けの日々を過ごしていたSAMは、29歳で同局のダンスコンテスト番組「Dance!Dance!Dance!」にレギュラーダンサーとして出演するほど、デビュー前から著名な存在だったという。
後にTRFのメンバーとなるCHIHARU、ETSUとともに、毎週のように同番組でパフォーマンスを披露していたところ、「それを小室さんが見ていて、『会いたい』って言ってくれて」と、音楽プロデューサー・小室哲哉氏との出会いに発展。SAMのライブにも足を運んでくれたという同氏から「オリジナルの曲で踊らない?」と声をかけられ、SAMは「“デビューできる!”みたいな、そんな感覚で。それがファーストコンタクトですね」と初対面時の印象を振り返った。
しかし、デビューに向け、小室氏からボーカルのYU-KIを紹介されたことに、SAMは大きなインパクトを受けたという。というのも、「当時、僕らはダンサーとして有名になりたいという気持ちが凄く強くて、“歌手のバックで俺たちは踊らない”みたいなポリシーを持っていたんです」と明かし、「なのに、ボーカルがいたり。“結局、バックダンサーかよ!”って」と落胆したという。
SAMはその不満を小室氏にぶつけ、「実はポリシー持っています」と告げたところ、同氏からは「いいよ、別に。じゃあ、YU-KIを後ろにすればいいじゃん」と予期せぬ回答が。SAMは「DJブースの前のお立ち台にボーカルを立たせて、僕らは前で踊るんです。これだったらバックダンサーじゃないでしょって」と、自身の要望に沿った、同氏の驚きの発想を説明した。
そんな小室氏の人柄に関しては、「ものすごくソフトな人なので、全く悪びれるでもないし、超天然なんですよ」と表現。「だから、コンセプトを話していないとか、そういうことも全く気にしていないし、“ちょっとボーカルがいて、一緒にやってもらいたいんだよね”みたいな。ああ、そうですかってなるしかない」と、独特な空気感があったという。
「そんな小室氏の奇想天外な提案から始まったTRFは93年にデビューを果たし、ヒットを連発。CD総売上枚数は2000万枚を超え、SAM含め、ダンスメンバーの人生が大きく変わることに。ネットには、バックダンサーというポジションに不満を抱えていたSAMに、フロントでダンスを行うようコンセプトを変更した小室氏の才能に対して、『もはや一休さんのとんちの世界(笑)。でも、それを何のてらいもなくやれるところが小室哲哉のスゴいところ』『やっぱり音楽方面に関しては天才だったんだな』『こういうところが小室さんの天才なんだよなぁ』など絶賛が続出。作詞家、作曲家、キーボーディストとして活躍し、90年代の音楽界を席巻するに値した、柔軟な姿勢と豊富なアイデアがあったということでしょう」(テレビ誌ライター)
また、SAMはTRF全盛期の年収について聞かれると、「皆さんが思ってるほどはもらえてないですよ。メンバー5人いるんで、ソロアーティストのもらえる5分の1なんです」とし、「億いったか、いかないか、ぐらい」だと告白。
ということは、音楽プロデューサーとしても大ヒットを連発させていた小室氏の収入はもはや天文学的な数字に達していたのかもしれない。
(木村慎吾)