犬や猫などのペットを飼っていて、ペットの具合が悪くなったときや動物病院へ連れて行くときなどに「会社を休みづらい……」と感じたことはありませんか?
日本では、ペットへの理解がまだまだ進んでいないのが現実ではないでしょうか。事実、SARABiO温泉微生物研究所が実施したペット飼育者に関する働き方についてのアンケート調査では、8割の人が「ペットが理由で仕事を休みたいと言いにくい」と回答していました。
また、「ペット飼育者に対する福利厚生を導入している企業で働きたいと思いますか?」の問いには、「働きたい」が47%、「あったらいいなと思う」が52%という結果でした。とくに、「ペットの忌引き休暇制度」や「ペットの介護休暇制度」などで、ニーズが高い傾向が出ていました。
そうした中、ペットを飼う社員に対する理解が進んでいる企業もあります。その一つが、前述の調査を行ったSARABiO温泉微生物研究所。人と動物の共存“アニマルウェルフェア”の概念を重要視していて、ペット忌引休暇、ペットの病院付き添い、介護による有給休暇取得制度、ペット関連資格の取得支援制度を新たに導入した他、日本初の役職「最高動物福祉責任者(CAO)」を新設しています。
CAOとは「Chief Animal-welfare Officer(チーフ・アニマルウェルフェア・オフィサー)」の略称で、就任した羽鳥友里恵さんは、前職で愛猫が病気になった際に看病を理由に休みづらく、ストレスを抱えたことがあったそう。今後は、働きながらペットと暮らしやすい就業環境の創出と啓蒙を行っていくようです。
その他の先進的な企業も、ペットに関する福利厚生制度を導入しています。
例えば、アマゾンジャパンは自身や家族の病気や看護などのために取得できる「パーソナル休暇」を設けていますが、それはペットの病気や看護にも適用可能なんだとか。ユニ・チャームは、2017年からペット(犬・猫)が死亡した際に特別休暇1日が取得できる制度を導入しています。
欧米ではさらに進んでいるといわれるペット関連の福利厚生。これからは日本でも“ペットとの共生”という考え方が広がっていくといいですね。