表舞台から姿を消しておよそ1年半。嵐の大野智の復帰を待つ声は、いまだネットを中心に後を絶たない。
嵐のグループ活動は20年末をもっていったん休止。最後のオリジナル楽曲は、10月30日にデジタル配信された「Party Starters」だった。しかし、大野にとって忘れられないだろう曲はほかにもあるはずだ。17年にリリースされた「つなぐ」も、その1つではないだろうか。
嵐にとって52作目の同シングルは、大野の主演映画「忍びの国」の主題歌。同作品は、大野にとって最後の俳優としてのお仕事。18年から19年にかけて、20周年記念コンサートツアー「ARASHI Anniversary Tour 5×20」が開催。「つなぐ」は、大野が振りつけたダンスで披露された。同ツアーはおよそ1年かけて50公演で、すべてが国内のドームというアーティスト史上最大規模。のべ237万5000人を動員した。20年に映像作品がリリースされると、「オリコン年間ランキング2020 作品別売上数部門」の音楽DVD、Blu-ray Discの合算が歴代1位に輝いた。
「この記録的ドームツアーの真っ最中に、大野はメンバーに『休みたい』と打ち明けています。だからこそ、ファンにとっても忘れることができないツアーなのです。『つなぐ』は今も封印されているからこそなお、価値あるままキープされています」(音楽誌ライター)
ジャニーズソングは、古くは昭和時代の少年隊や男闘呼組、SMAP、V6ほかグループそのものがなくなっても、後輩たちが歌い継いでいく。特にオリジナルソングが少ないジャニーズJr.は、単独コンサートや音楽番組「ザ少年倶楽部」(BSプレミアム)で伝承している姿を見せている。
「ミリオンヒットを連発しているSnow Manの目黒蓮も、大野と“つながって”いました。『つなぐ』が初披露されたのは17年のコンサートツアー『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018「untitled」』で、パープルを基調としたロングコート仕立ての豪奢な衣装でした。当時、目黒は宇宙Sixというジュニアグループの一員で、嵐のお抱えバックダンサーとしてコンサートツアーに同行。のちに紫衣装を譲り受けて、別のライブで着ていたのです」(前出・音楽誌ライター)
ネット事情に強いジャニオタ特捜班は、嵐の衣装が目黒に“下りた”ことに歓喜。嵐がかわいがっていた宇宙Sixから目黒だけがSnow Manに抜てきされて大成し、宇宙Sixが解隊しても、双方が紡いだ絆は残っている。大野が“つなぐ”思いは、今でも忘れられていない。
(北村ともこ)