7月スタートの民放連ドラ世帯平均視聴率で2ケタを続けているのは、綾野剛主演の連続ドラマ「オールドルーキー」(TBS系)だけとなった。
同ドラマは初回11.2%(ビデオリサーチ調べ 関東地区。以下同)を記録。第2話11.2%、第3話10.8%、第4話10.0%と続き、7月31日放送の第5話で10.6%を獲得、安定した数字を刻んでいる。
「日曜劇場という鉄板枠のおかげでしょう。ドラマのTBSとして名を馳せた時代から長年の固定ファンがおり、週末の夜に見るにはピッタリの内容。お仕事ドラマでもあり、アスリートにスポットを当てた内幕ものでもあるし、家族再生の物語でもある。それこそ全方位に向けて発信しているから、それぞれの世代に刺さるんです。福田靖氏のオリジナル脚本がこれまたいい味出している。放送前、あれだけ不安視されていた綾野のスキャンダルも大きく取りざたされず。このまま2ケタ視聴率を堅持すれば、綾野株急騰間違いなしでしょう」(テレビ雑誌記者)
テレビ離れはますます進んでおり、7月期の初回放送で世帯平均視聴率10%を超えたのは前出の日曜劇場、テレ朝の水9、フジの月9のみ。坂口健太郎と杏がダブル主演する月9「競争の番人」(フジテレビ系)は、公正取引委員会(公取委)を舞台にしたバディドラマ。初回11.8%と同期連ドラトップに躍り出るも、第2話で8.9%とダウン。第3話、第4話は9.4%と横ばいを続けている。
意外な伏兵が東山紀之主演の刑事ドラマ「刑事7人 season8」だ。
「初回11.3%、7月20日放送の第2話の世帯平均視聴率が10.4%で、2ケタキープの人気ぶり。同ドラマは2015年にスタート。シーズン1こそ平均9.6%でしたが、シーズン2は10.3%、以後11.3%、11.8%、11.7%、12.0%、11.5%と好視聴率をはじき出すドル箱シリーズに成長しました。同枠は刑事ドラマが定番で、2022年4月期は東山の後輩、井ノ原快彦主演の刑事ドラマ『特捜9 season5』が放送されていました。こちらも初回12.4%でスタートし、平均10.7%xの好成績を残すなど、刑事ドラマファン、中高年層のニーズに応えています」(芸能ライター)
そのテレ朝の鉄板枠「刑事7人 season8」に陰りが見えている。それは、7月27日放送の第3話のこと。世帯平均視聴率が9.0%と1ケタ台に転落してしまったのだ。安定路線を歩んでいたはずが、なぜかいきなりの失速。いったい何が原因なのか。
「シーズン1から紅一点で出演してきた倉科カナが初回で番組降板、2話目から姿を消したのが理由では。倉科が演じていたのはアメリカ帰りの帰国子女で、回し蹴りが得意な聡明キャラでした。同僚刑事との恋バナを展開するなど、まだまだ広がりのある役どころでしたが、シーズン初回でいなくなる異例の事態に。
ネットでは、倉科ロスの声があがり、新人刑事(ジャニーズWESTの小瀧望)とバトンタッチする形で米国FBIに旅立っていく唐突な筋書きに面食らう声も多くあがりました。もっとも不祥事があっての降板ではなく、本人納得の上の卒業だそう。8年も続ければ、イメージが固定すします。女優としては、それがいちばん怖いですからね」(女性誌記者)
とはいえ、残されたほうはたまったものではない。ジャニーズ事務所の長男的存在、東山にとって、主演ドラマは生命線。事務所がバーター出演させた後輩の面倒を見て、一人前に育てる仕事まで課せられている。ひとケタ視聴率が続くようでは、番組打ち切りや放送短縮の目も。それだけはどうしても避けなければならない。
(塩勢知央)