お笑いコンビ・爆笑問題の太田光による旧統一教会を巡る発言が再び批判の的となっている。
かねてより「信教の自由」が守られるべきだとして、旧統一教会の報じ方について慎重な言動を続けてきた太田。7月に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件以降、太田がMCを務める情報番組「サンデー・ジャポン」(TBS系)では毎週のように同教団を取り上げており、9月26日放送回でも、22日に開かれた3度目の会見について特集した。
その中で、すでに旧統一教会にマインドコントロールされてしまった信者の家族が、いかにして洗脳を解くのかといった点に関し、太田は「人間の心をどうやって、無理やり動かせるのかっていうのは、本当に難しい問題だと思う」とコメント。「今までも(信者の家族が洗脳を解くために)拉致して、閉じ込めたりして、いろいろ問題が起きてきて、まだ答えが見つかっていないから。そんなに簡単なことではない」と続けた。
すると、この日も同教団に関する識者として出演したジャーナリスト・鈴木エイト氏が「(家族が信者にしていたことは)拉致、監禁とは全く別のこと。(洗脳を解くために信者を)保護して説得するということは当然、一定の合理性はある」とすぐに訂正。だが、この太田の言葉を「ついに一線を越えた」と見る向きが強まっているのだ。
「旧統一教会の霊感商法にまつわる取材を40年近く続けてきたジャーナリスト・有田芳生氏は、先の太田による『拉致、閉じ込め』との表現を取り上げ、26日に自身のツイッターで『太田光さんのこの発言。すっかり統一教会の主張です』と投稿。これまでも同教団を擁護するようなコメントが多かった太田ですが、今回の言葉には、視聴者からも『統一教会脱会支援のことを拉致監禁と呼んだ事実は、TBSは重く受け止めるべき』『公共の電波で大問題発言すぎて、即座に正した』『信者を何とか取り戻そうとしてる家族の苦しみを踏みにじる表現』などの批判が並んでいます。また、有田氏は別のツイートで『僕が太田さんの発言を許せないのは、統一教会から子どもを脱会させたいと苦労してきた多くの親御さんたちの苦労を知っているからです』とし、『お笑い芸人だからと許される発言ではありません。現場を知らないのに発言するな』とも綴りました」(テレビ誌ライター)
さらに、同発言にはジャーナリスト・江川紹子氏も同日までに「番組を仕切るMCとして、統一教会の主張を代弁する太田さん」「外部の人間がいくら問題の本質を伝えても、彼は教団の代弁者をやめないでしょう」とツイート。今後は「サンジャポ」内で旧統一教会に関するニュースを取り上げるべきではないと問題視している。
同教団に身を置く現在の信者の人権や肩身の狭い思いに同情し続けてきた太田ではあるが、そうした信者をどうしても教団から取り戻したいと奔走してきた家族にも配慮した表現が求められているのかもしれない。
(木村慎吾)